■ 『江戸の坂東京の坂(全)』 横関英一/ちくま学芸文庫 をようやく読み終えた。ちょっとマニアックなちくま文庫にふさわしい内容の本だった。
著者の関口さんは仕事のかたわら長年江戸の坂、東京の坂について研究を続けてこられた方。切絵図などの古地図を調べ、坂に関する史料をあたるなどして、坂の所在地の特定を試み、呼び名の由来やその変遷などを詳細に研究した、その成果が収録されている。
本書には昭和30年代頃の撮影と思われる東京の坂の写真が何枚も掲載されていて、当時の東京を知らない私でもなかなか興味深かった(掲載写真が小さいのはちょっと残念)。本のカバーの裏面には**「坂道」研究というジャンルを確立し、いまなお坂道ファンのバイブルと親しまれる古典的名著。**とある。
東京は坂の街だ。これからはこのことを意識することになるだろう・・・。街を歩いていて坂名起因などを記した説明板があれば立ち止まって読む、と思う。今年はまだ一度も東京していないが、そのうち機会があるだろう。
春のフォトアルバム 鄙里に咲く菜の花 110515
黄色い花は緑豊かな野によく映える。
司馬遼太郎はタンポポや菜の花など、黄色い花が好きだったそうだ。
文春文庫の司馬遼太郎作品の背表紙が黄色なのはこのことを考慮したからかもしれない・・・。