■ NHKの「週刊ブックレビュー」、1991年4月にスタートした書評番組が終わった。今朝(17日)6時半から最終回の放送を見た。今まで放送してきた番組のVTR映像をメインに構成した総集編。21年間続いた番組で紹介された本は2万冊にもなるという。僕はこの番組をスタートした時から見てきた。
1時間番組の前半は3人のゲストがおすすめの本を持ち寄っての合評コーナー。本の読み方は人それぞれ、本の評価も人それぞれだということを実感した。
番組後半のゲストコーナーには述べ4,500人が出演したそうだ。北杜夫も川上弘美も出演している。有川浩(女性作家、念のため)も。テレビ出演を断る作家でもこの番組の出演依頼にはOKすることが多かったという。
しばらく前に買い求めた『週刊ブックレビュー 20周年記念ブックガイド』の「番組20年の歩み」という記事に、この番組がどんな経緯で生まれたのか、紹介されている。**「明治時代から本をたくさん読む人というのは、おそらく人口の1割くらい。すると視聴率は最高でも10パーセント。しかも、そもそも本が好きな人はテレビが嫌いなことが多い。となると、本を読まない人でも見るような工夫をする必要がある。しかし、それをやると今度は本好きな人からは好まれない内容になってしまう。そこからして、すでに大変なジレンマを抱えているわけです」**(70頁) 確かにそうかもしれない。視聴率はそれ程高くはなかっただろう。
毎回楽しみにしていた番組だっただけに、終わってしまったのはとても残念だ。
アシスタントを5年、司会者を3年務めた中江有里さんは、この番組を1番長い物語のようだったと評し、終わらない物語はないと語った。始まりのあるものには必ず終わりがある。確かにその通り。でもこの番組ほど終了を寂しいと思った番組は他にない。