『変な給食』 幕内秀夫/ブックマン社
■ 『もっと変な給食』を読んでから『変な給食』も読んだ。順序が逆になってしまったのは松本駅前の丸善で2冊とも買おうと思ったのだが、『変な給食』が無かったから。
カバーに載っている3つの献立を見てもなんだか変だなぁ、と思う。一番上は「きつねうどん、いちごむしパン、牛乳」という献立。この本には「カレーうどん、たこ焼き、そら豆、牛乳」、「カルちゃんやきそば、ねぎま串、フルーツヨーグルト、牛乳」、「カレーラーメン、たこ焼き、乳酸菌飲料、牛乳」、「チョコパン、アメリカンドッグ、白菜スープ、牛乳」、「黒糖パン、桜エビのかきあげ、みそ汁、牛乳」などという献立が紹介されている。
プロの栄養士が考える献立がなぜこんなことになるのだろう・・・。到底理解できない。著者は油脂類や砂糖が学校給食の献立に多すぎると指摘する。 成人病の低年齢化、アレルギー、肥満。これらの原因が学校給食には全く関係ないと言い切れるのだろうか、成長期にある子どもたちのためのバランスのとれた献立だと胸をはって言えるのだろうか、と思う。
カバーの真中の献立のアイス型パンはなんだ。食は文化だという視点がこのメニューを考えた栄養士にはあるのだろうか・・・。栄養士は食事に関するプロのはず。「子どもたちの食事はこうあるべき」、という理念というか基本的な考え方ををきちんと実践する努力をして欲しいと思う。もちろんそうしている栄養士が大半だとは思うが。
子どもたちが残さずに食べることを優先すると、この本に紹介されているような献立になるのだろうか。子どもにおもねることなど必要ないだろうに・・・。
この本で残念なこともある。間接取材に終始していることだ。栄養士や子ども、調理員、教職員、保護者ら、学校給食に関係する人たちに直接取材して欲しかったと思う。栄養士にも言い分があるかもしれない。
箸で食べる学校給食を!