透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「美しい日本の私」

2012-12-21 | A 読書日記



 春、松本の城山公園に桜が咲くとボクは職員室へ行き、担任のI先生に授業の替わりに桜を観に行きましょうとお願いした。職員室では机を並べる先生が「行ってきましょ」と、一緒にI先生を説得して下さり、花見をしたことを覚えている。

今は無くなってしまった市内の映画館にクラスで映画を観に行ったこともあった(記憶が曖昧だが「チップス先生さようなら」という映画ではなかったかと思う)。

共に高校生の時の思い出だ。

時の流れは早いものであれから40年も経った。11月に高卒40周年を記念する式典が開催されたが、出席していただいた先生方は当時の教え子たちを記憶しておられた。

先日I先生から本を2冊送っていただいた。式典の当日撮影した写真をお送りしたが、本はそのお礼ということだろう。

今夜、その内の1冊『美しい日本の私』川端康成/講談社現代新書を読んだ。川端康成は**春は花夏はほととぎす秋は月 冬雪さえて冷しかりけり**という道元の歌などをいくつも例示しながら、日本人の美意識を説いている。

本には英訳文も収録されている(上の写真参照)。どうやらI先生は劣等生だったボクに英語の補習授業に替えてこの英文を音読することを課されたようだ。今ごろ・・・。

「すみません、先生 英文の音読はパスさせてください」