■ 熱心な007ファンというわけではないが、映画館で何作か観ている。ジェームス・ボンドを演じた俳優ではロジャー・ムーアのユーモアが好きだった。生きるか死ぬかという時に騒がず、慌てず発するジョーク。時々パニック映画でも見ることがあるが、ああいうことは日本人にはできないだろうな、と思う。
いままで観た作品の内容はおろかタイトルさえきちんと覚えいないが、ショーン・コネリーの「ロシアより愛をこめて」が印象に残っている。
007シリーズ生誕50周年を記念する最新作「007 スカイフォール」を観た。
ジェームス・ボンドというと、やはり女好き、そういうキャラであって欲しい。それでこそボンド・ガールの存在意義もあるというものだと思うが(アルコールな夜のブログではないので書きにくい・・・)、ダニエル・クレイグはどうも女好きという雰囲気ではないし、マッチョな体ではあるが男の色気ムンムンというわけでもない。あくまでも個人的な感想だが。彼に魅力を感じる女性ファンはもちろん多いだろう・・・。
さて、本作のオープニングはトルコ・イスタンブールのバザール。露店が並ぶ人混みでのカーチェイス。バイクに乗り換えて屋根の上で追いつ追われつ・・・。いつものことながら街の構造、特徴を活かしきった設定に関心する。
ボンドのミッションは盗まれたハード・ディスクの奪還。ディスクにはエージェント全員の全情報が入っている。(取り返すといってもモノと違って情報はいくらでもコピーができるから実際には無理だと思うが、どうだろう・・・)
トルコ郊外、列車の屋根の上で敵と格闘中に、ボンドは英国情報局のMの指令を受けた女性エージェントに誤射されて、橋を渡る列車の上から急流に落下・・・。ボンドが死ぬわけはないから安心だが、あれで助かるのは映画だから。組織から見放され、捨てられたボンドはどこか南の島で酒びたりの日々。だが、MI6の爆破事件をテレビで見て、ロンドンに帰還。
今回の敵はMI6を知り尽くした元エージェント。やはり組織に捨てられて復讐に燃える男。
舞台の都市のひとつ、上海は高層ビル群の夜景がきれいだった。ネオンを活かした映像が効いていた。マカオのカジノでボンドガール登場! 美人だがちょっと、いやかなり化粧が濃かったな~。で、存在感はあまりなかったな。
ボンドを誤射した女性エージェントもボンドガールということなのかどうか、彼女が暗い部屋でボンドの髭を剃るシーンはセクシーだった。
舞台はロンドンからスコットランドのスカイフォールへ。荒涼とした大地はボンドの心模様の投影か。ボンドの生地でMをある意味人質にしての壮絶な戦い。驚きのラスト。
最後まで存分に楽しめた。やはり大人のエンターテイメントはこうでなくちゃ。CGを多用したあり得ないシーンはどうもいただけない。この映画のテーマは再生・復活、それに世代交代も。今日的なテーマだ。