■ 技術者の端くれとして自戒の念を込めて。
中央自動車道の笹子トンネルの事故を最初に耳にしたとき、「え?まさか・・・」と思った。しかしその後、事故に関するいくつかの情報を得て、冷静になって考えてみて「そうか、起こりうる事故だったのか・・・、いつ起きてもおかしくない事故だったんだ・・・」と思えてきた。
快適で便利な生活を支える技術は安全が担保された状態が継続されなければならないということだ。どんな技術であろうと、安全と常に対でなくてはならないという当たり前のことに改めて気付かされた。そのためには維持管理が欠かせない。日常の維持管理が伴わなくて安全が担保できるような技術など無いだろう。土木・建築ともに全て寿命のある、つまりいつかは求められている性能が発揮できなくなってしまう部品や材料だけで構成されているのだから。このごく当たり前の事実を再認識することが求められているということに気付かされた。
新聞広告の週刊誌の見出しに**世界最古もある国内「海底トンネル」は大丈夫か**とある。上記のような観点で、あれこれ工作物などを思い浮かべてみると、大丈夫かな、安全かなと 心配になるものがいくつも挙がってくる・・・。
そうか・・・、「維持管理」という言葉の意味するもの、この言葉に求められていることはとても重いのだ。この言葉の軽視(と断ずるが)によって、今回9人もの犠牲者が出てしまった・・・。