■ 13日の土曜日、群馬県の富岡製糸場を見学したことは既に書いたが、見学券に富岡製糸場の錦絵が使われているので、再度アップする。
江戸後期、伊能忠敬が日本の全土を測量して歩き、その成果を正確な日本地図(実測図)にまとめたのが1821年のこと。それまではこの国の正確な形を誰も知らなかったわけだ。
それからわずか50年後、鎖国を解いて日本地図から一気に世界地図で日本のことを考えなければならないという大きな変化、パラダイムシフト。
それを見事にこなして、生糸の生産・輸出をもって世界に打って出るということ、そしてそのために世界最大規模の生糸の生産工場を構想した明治人の優秀さを想う。作家・司馬遼太郎が明治好きだったことも頷ける。
この錦絵に描かれている主な建物を1年数ヶ月で完成させたことに明治という時代の底力を感じる。比して現代の日本人は、平成という時代はどうだろう・・・。