市民タイムス 130410付の1面記事より
■ 松本市及びその周辺の市町村が購読エリアのローカル紙、市民タイムスの1面に松本市内の小学校で昨日(9日)、新年度初めての給食があったという記事が載っている(写真)。また安曇野市内の小学校でもやはり初めての給食があったことが別の記事で紹介されている。
学校名を伏せる必要もないだろうから、実名を記して記事に紹介されているメニューを載せる。
松本市今井小学校
・ご飯
・サケの塩焼き
・野菜のごまあえ
・野菜とキノコたっぷりの汁物
・牛乳
安曇野市豊科南小学校
・ミルクパン
・ウインナー
・海藻サラダ
・ポテトスープ
・牛乳
両校の給食のメニューは対照的だ。
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昨日(9日)の早朝、NHKのラジオ深夜便で教育・食育アドバイザーの大塚 貢さんの話を聴いた(明日へのことば 「食事から変えよう子どもたちの暮らし」 )。
大塚さんは長野県の旧真田町(現上田市)の元校長・元教育長で、荒れた学校を「給食改革」と「花壇作り」で非行ゼロの学校に再生させた方。番組でその経験を語っていた。
大塚さんがラジオ番組で語ったことと同じ内容の講演録が『変な給食』幕内秀夫/ブックマン社に紹介されているので以下、同書を参考にして書く。
今から20年くらい前、大塚さんが校長として赴任した中学校はとても荒れていたそうだ。その原因が食事にあるのではないかと考えた大塚さんは生徒の食生活を調査したという。その結果、3割以上の生徒が朝食抜き、食べた場合でも菓子パンやジュース、ハムやウインナーだけといった実に貧しい食卓の実態が明らかになったそうだ。
保護者にコンビニ弁当やカップラーメンではなく、カルシウムやミネラルの多いもの食べさせてください。血液がきれいになり前頭葉の血行が良くなるから、と訴えたそうだ。だが、保護者は変わらなかったそうで、給食から変えるしかないと考えて給食改革をしたという。
パンから米飯に変え、おかずも米飯に合う青魚と野菜を豊富にするように変えたそうだ。生徒や教職員、保護者は和食献立に大反対だったそうだが、大塚さんの思いを理解する栄養士が、30代(記憶がはっきりしないが)で心筋梗塞で亡くなった人の心臓を病院から借りてきて生徒たちに見せて、食事の大切なことを説いたこともあったという(番組では長野県内の中・高生は3割だったか、4割だったか覚えていないが、生活習慣病予備軍だという驚きの事実が紹介された)。
生徒や教師、保護者は次第に食べ物が身体や心に及ぼす影響に関心を持ち始め、ご飯給食を支持する人が増えていったという。今やサンマの甘露煮が一番人気のメニューなんだとか。お米は地元の無農薬か低農薬ののもに切り替え、玄米も混ぜているという。給食食材の95パーセントが地元産とのこと。
学力も向上したそうで、CRTテストの成績が全国平均をかなり上回るようになったという。本を読む生徒も増えて、全国作文コンクールで入賞する生徒が出てきたり、合唱コンクールでも好成績を収めるなど、生徒はどんどん変わっていったそうだ。
我が意を得たり という思いで早朝のラジオ番組を聴いた。
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