■ 新年度の読書は葉室 麟の『螢草』双葉社でスタートと決めていた。で、昨晩(6日)読んだ。涙小説を人前で読むのはできれば避けたい。
今日は日曜日。雨の中、朝から力仕事をして腰が痛い・・・。もう若くはない。いや、気持ちはまだ若いが体が・・・。ちょっと無理をしすぎたかもしれない。夕方、テレビを見ながらビール。逆か、ビールを飲みながらテレビを見た、ってどっちでもいいや。
葉室 麟という作家が考える「人生、こう生きるべし」をひとりの若い女性を主人公に描いている。ストーリーはシンプル。これは映画化して欲しい作品だ。
で、キャスティング。16歳で奉公に出た主人公の菜々には誰がいいか・・・。若い女優の名前はあまり知らないが最近ようやく覚えた剛力彩芽、イメージは比較的近い。でも彼女ではキャラが濃すぎ、個性が強すぎるような気がする。では他に誰か・・・。
石川佳純! そうだ彼女がいるじゃないか。おおピッタリ! なんてことを書き出しちゃって、アルコール効果かな?別にいいけど。
父親を切腹に追い込み、奉公先の市之進に罠を仕掛けて流罪に追い込んだ憎き悪、轟平九郎。仇討で轟と対峙するときの菜々の眼、それには石川佳純が試合(って彼女は卓球の選手、念のため)で相手のサーブを受けるときのあの眼が相応しい。
では、菜々を自分の妹のように思い、優しく接してくれた奥方様の佐知(なかなかいい名前だ)には誰がいいか?才色兼備な女性・・・、 和服が似合いそうな女性となると・・・、誰? 若いころの竹下景子、いいかも。
では肝心の市之進(って菜々の奉公先の当主、佐知の夫)は誰? 菜々が次第に惹かれていく若き俊才には誰がいいだろう・・・。浮かんでこないな~。
**「おかげで助かりました。本当にありがとうございます。だんご兵衛さんに死神先生、そしてお骨さんと駱駝の親分―」**(259頁) これは菜々の台詞。落語の人情噺に出てきそうな個性豊かな脇役が出てきて、菜々を何かとサポートしてくれるのだ。映画ではこの人たちに誰を充てるか・・・。
ふたりの幼い子どもを残して母親の佐知は亡くなっている。**「正助、とよ、父上と菜々の言うことを、よく聞いて、いい子にするのですよ」**(111頁)と言い残して。その後、父親も囚われの身となってしまう。
菜々は残されたふたりの子ども、正助ととよの面倒を一生懸命みる。そして生活費を稼ぐために大八車に野菜を載せて売り歩く。この姿を思うと涙が出る。あの石川佳純が・・・。
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**「だって、菜々に会いに行こうとするのを、邪魔するんだもの」
口を尖らす正助を、とよが、ちょっぴり睨み、諭すような口振りで言った。
「兄上、菜々のことは違う呼び方をしなければいけません。父上がそうおっしゃったではありませんか」**
ふたりのこどもは菜々によくなついているし、菜々は市之進に心惹かれていた。ものがたりは安堵のハッピーエンド。
よかった・・・。
涙、涙・・・。