透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

安曇野市三郷 住吉神社の狛犬

2015-04-11 | C 狛犬



 安曇野市は三郷温にある住吉神社を訪ねた。狛犬に魅せられることがなければ訪れる機会があったかどうか・・・。この神社には明治、大正、昭和と各時代の狛犬がいるという情報を前から得ていた。 

鳥居の前から参道を見る。拝殿までの距離が長いのかそうでもないのか分からない・・・。まあ、このくらいは長くもないのかな。




鳥居のすぐ先にこの狛犬がいた。向かって右側の阿形の獅子、「ほら飴玉なめてるよ」とでも言いたげに口を開けている。頭の上は宝珠と見るべきか。体はつるりんちょ。獅子だといわれてもピントこない姿。



後姿はこんな感じ。太くて短いしっぽがあってその下には幾何学的な渦模様が彫り込まれている。台座側面の図にも意味があるのだろうが、分からない・・・。



股間情報によってオスと判断した。これを裏付けるように『日本全国獅子狛犬ものがたり』には**陰陽思想では阿吽の「阿」は「陽」で、「吽」は「陰」であることから、阿形の方が陽で「オス」、吽形の方が陰で「メス」とされることが多いようです。**(30頁)とあり、続けて**獅子・狛犬は神社やお寺を守護する霊獣なのですから、強くたくましいオスでなくてはならないはずです。**とある。



向かって左側は吽形の狛犬。頭の上の突起は退化した角とみるべきか。玉を前脚で押さえている。こちらの股間情報からオスとは読みとれなかった。

台座に刻まれた建立年は明治25年8月吉日。



神楽殿越しに拝殿を見る。拝殿の前に2対の狛犬がいる。





まずは手前の狛犬。参道脇の狛犬とはかなり違っていて厳しい表情をしている。





ふさふさのたてがみをカールしている。オシャレではないか。でもなんとなく個性を感じない。あちこちにいそうな気がする。



向かって左側は子連れ狛犬。







台座のプレートに、それまであった随神銅像を戦争に供出してしまったので、昭和40年4月に、この狛犬を奉献したことが記されている(のぶさんの記事で確認)。この手の基本的な情報はきちんと押さえなくては・・・。

レポート不可、再提出! 

次はこの迫力のある狛犬

  

拝殿近くにいた大正狛犬。手前の昭和の狛犬に比べて体躯は小さいが、上のツーショット写真で分かる通り、恐い表情は昭和に勝る。





低く構えた威嚇的態度には迫力がある。向かって右側、阿形の獅子の頭に角があり、左側の吽形の狛犬の頭に宝珠がある。拝殿に向かって左側の狛犬に角があるのが一般的ではないかと思うが、それと違う理由が分からない・・・。

この狛犬の石工は北原柳太郎。ネットで北原柳太郎について調べると多くの石工を輩出した高遠の出身で、現在の諏訪市中洲神宮寺に移り、明治13年(1880年)に石材店を開業している。石工の柳太郎は石柳と呼ばれていたそうで、社名の石柳北原の由来だという(同社HPによる)。

まだ狛犬を観察する私なりの視点が見つからない。狛犬の棲みかまで取り上げるかどうかも含め、「考え中」としておきたい。


* 狛犬取材はじっくり時間をかけて、情報をきっちり読みとり、メモすること。のぶさんの指摘からの教訓。

これが取材の「基本のき」


― 松本市笹賀の火の見櫓

2015-04-11 | A 火の見櫓っておもしろい


松本市笹賀今村の火の見櫓 この火の見櫓を取り上げるのは2回目








 踊り場の床のところに設置された銘板から昭和30年4月に建設されたことが分かる。銘板には山葵粉を製造している東京都内の会社が寄贈したことが記されている。ネットで調べて、この会社は社名が変わったが、現存していることがわかった。この土地に縁のある会社だろう。

銘板に鉄工所名は記されてはいないが、外観上の特徴から大橋鐵工所の火の見櫓とみて間違いなかろう。手元にある大橋鐵工所の図面と細部までデザインが同じだ。

火の見櫓は季節によっても見る方向によっても印象が変わるし、再見することで新たに分かることもある。初回は火の見櫓観察を始めて間もない頃だったから銘板に気が付いていなかったのかも知れない。やはり2回、3回と足を運ばないとダメだ。


 


「へそのない本」北 杜夫

2015-04-11 | A 読書日記



 昨年自宅をリフォームした際、リビングの書棚を撤去してしまった。そこに収めていた文庫本を仕方無く自室の机の上に積み上げているが、昨晩そこを整理していて偶々『へそのない本』を手にした。

3年前(2012年)、北杜夫の本を何冊か再読したが、その時はこの本を読んでいなかった。水色のレトララインが貼ってあるから20代の時に読んだ本だ。

カバーの佐々木侃司氏のイラストがなつかしい。週末は北杜夫の世界に浸るか・・・。