■ 松本市寿北にある米澤神社を訪ねた。木造、石造の鳥居の先に山の斜面を直登する長い参道が見える。
社殿の一般的な配置から判断すると、この急勾配の切妻屋根の建物が拝殿で、その後方の建物が本殿ということになる。
本殿は板塀に囲まれていてよく見えなかった。
社務所
この山中の神社を守護している狛犬は大変だな。鳥居の脇の案内板によると米澤神社の御祭神は猿田彦命と大己貴命(おほなむち)。
猿田彦命は古事記に出てくる神様。古事記を現代語訳で読んだから、この神様の名前は知っていた。天孫、邇邇芸命が降臨した際のガイド役を務めた神様。大己貴命(おほなむち)はいくつもある大国主の別名のひとつだそうだ。
この山中の神社及び御祭神の猿田彦命と大己貴命を守護することがここの狛犬たちに課せられた仕事(ミッション)。
台座に狛犬の誕生年が刻まれていた。弘化3年(1846年)というから江戸末期ということになる。右側の獅子も左側の狛犬も歯が見えているから阿形、吽形とはなっていないようだ。あるいは通常とは逆で、右の獅子が吽形で、左の狛犬は阿形なのかもしれない・・・。
玉を持っている左前脚が浮いている! 何とも不安定な姿。よく石工はこのような姿を彫る決心をしたものだ。
ともにつるりんちょな体で、鬣(たてがみ)としっぽ、それから前脚の部分に毛があるだけ。このことが特徴かな。蹲踞の姿勢をしていることが分かる。
江戸時代に生まれた狛犬はユニークで、観ていて飽きない。