透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「読んでから見るか、見てから読むか」

2016-03-07 | E 週末には映画を観よう

 日本で本格的なメディアミックス戦略、映画と小説を同時に売り込む戦略を採った角川。宣伝のキャッチコピー「読んでから見るか、見てから読むか」を今でも覚えている。

「人間の証明」は森村誠一の小説も読んだし映画も見た。たぶん小説が先だったと思う。調べると映画は1977年の作品だからもう40年も前のことだ。

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映画「オデッセイ」を見てから原作『火星の人』アンディ・ウィアー/ハヤカワ文庫を読んで、昨日(6日)また映画を見た。昨日は日本語吹替版、3Dを見た。この映画は3Dで見るのが良いと思う。


原作『火星の人』上下巻の帯を撮った。

人類を地球以外の惑星に送り込むプロジェクト、アレス計画。アレス1、2は成功した。アレス3のクルー、マーク・ワトニーは火星探査中に猛烈な砂嵐に巻き込まれ、細長いアンテナがスペーススーツを貫き、腹に突き刺さる。そのまま砂の丘を転げ落ちる姿を見た他のクルーは彼が死んでしまったと判断して、火星を離脱する。

彼が火星で生きていることが分かると、NASAは国家的なプロジェクトを立ち上げて彼を救おうとする。

火星に向けて食料などを積みこんだサプライ機「アイリス」を打ち上げるも準備を急ぎ過ぎたために失敗。この窮地を中国が救う!アレス5のクルーに中国人宇宙飛行士をひとり入れてもらうことをもくろんでいたことが小説でははっきり描かれている。

映画ではアレス5のクルーに中国人宇宙飛行士がいることをさりげなく映している。昨日気がついたが、1回目の時は分からなかった。

映画では火星から奇跡的に地球に帰還したマーク・ワトニーが大学で講義をするシーン出てくるが、原作にはない。

**「ヒューストン、こちら〈ヘルメス〉、アクチュアル。クルー六名、無事、船内にそろいました」
コントロールルームでは拍手喝采が炸裂し、管制官たちは椅子から飛びあがって歓声をあげ、抱き合い、叫び、泣いた。世界中の公園で、バーで、市民センターで、リビングで、オフィスで、おなじ光景がくりひろげられていた。**(298、9頁)

このシーンでエンドロールが流れ出したらより感動的だっただろうに・・・。

ちなみにこのシーンにはニューヨーク、ロンドン、北京の市民が歓喜する様子が出てくるが、東京は出てこない。