透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「半鐘を鳴らしたのは、最後のあがきなの?」

2016-03-23 | A 読書日記



■ 今朝(23日)も朝カフェ読書。朝7時半から小一時間、髪結い伊三次捕物余話 「心に吹く風」を読んだ。2編目の「雁が渡る」に火の見櫓が主要な舞台として出てきてびっくり!

親を殺し、更に「夜鷹」のひもを殺したおしょうという名の娘が、火の見櫓にたてこもり半鐘をたたき出した。龍之進と一緒になって間もないきいはおしょうに一度だけ会ったことがあり、その時買って来た焼き芋をせがまれて与えていた。

野次馬に混じり様子を見ていたきいは火の見櫓に上っておしょうを説得したいと言いだす。

**「火の見をたったと上るなんざ、ご新造さんは大したもんだ」
おしょうは感心した声を上げた。
「一度、ここに上ってみたかったの。あたしの実のてて親は火消しの御用もしていたから」
「上がりな」
おしょうはようやく傍に促した。櫓の上は半畳ほどの板敷きとなっていた。きいが焼き芋を渡すと、おしょうは以前と同じように息もつかずにむさぼった。
きいはその間、火の見の上から外を眺めた。**(96頁)

この後、火の見櫓の上でおしょうはなぜ義父を殺すことになったのか、きいに打ち明け話を始める。

**おしょうの才が間違った方向に発揮されてしまったことが、きいは何より悲しかった。
もっと、おしょうが倖せになる道もあったはずである。**(101頁)

この後、物語は泣かせる展開に・・・。


 

 


換気扇マニア

2016-03-23 | A あれこれ

 TBSラジオに「安住紳一郎の日曜天国」という番組がある。同僚のT君はこの番組をポッドキャストで聞いていて、仕事で一緒に車で出かける時にそのデータを落とし込んだもの(って何だっけ、名前が浮かばない・・・。アイポッド!)で私も聞かせてもらうことがある。昨日(22日)聞いたのは換気扇マニアの方をゲストに迎え、換気扇についてあれこれ語ってもらうという内容だった。 

凡そ世の中に存在するもの、それが自然のものであれ、人工のものであれ、人の興味の対象になっていないものはない。ありとあらゆるものに深く関心を寄せている人が必ずいるものだ。それ故、換気扇マニアがいても何ら不思議ではない・・・。


三菱電機のウェブカタログより

ゲストは大阪在住の確か20代の男性(以下マニア氏)。2歳の時にかざぐるまなどのくるくる回るものに興味を覚え、なんと5歳の時に自分で換気扇を買ったそうだ。換気扇でもプロペラが見えるタイプのものが好きだそうで、換気扇を210個くらいコレクションしているという。

プロペラが回転する様子を見るのも好きだというし、工業製品の機能美などにも惹かれるとのことだった。番組では換気扇のディープな世界を語っていた。

マニア氏は利き酒ならぬ、利き換気扇ができるとのこと。換気扇の操作音、回転音などからメーカー名・型番が分かるという。そういえば以前、音だけ聞いてどこのジェットコースターか分かるマニアな人をテレビで見た。すごい人っているもんだな~と思う。

東京在住のやはり換気扇マニアの人がコレクション270個(!)の中からスタジオに持ち込んだ換気扇を確か5秒間動かし、マニア氏がメーカー名・型番を当てるという試みをした。これは東芝の○○○○○○というようにメーカー名とアルファベットと数字が5、6個ならぶ型番をズバリ当てていた。引きひもスイッチの操作音やシャッターの開閉音、プロペラの回転音などから分かるとのこと。

すごい!

私などは単なる火の見櫓好きに過ぎない・・・。