■ 松本清張短編全集の『空白の意匠』を読み終えた。
このペースで読み進めば今年中に全11巻読み終えることが出来るかもしれない。だが他にも読みたい本が出てくるだろうから、当初の予定通り今年度中に読み終えればよしとしよう。
この巻には8編の短編小説が納められているが、印象に残るのは「潜在光景」と「駅路」、「支払い過ぎた縁談」の3編。
「潜在光景」(昭和36年)。ストーリーには触れないがホラーな雰囲気の作品。不倫相手の女性のまだ小さい息子に殺意を感じた男は・・・。
「駅路」(昭和35年)。某銀行の営業部長・小塚貞一が定年退職して間もなく、旅行に出たまま帰らず、妻から捜索願いが出される。小塚は広島支店長時代から不倫関係にあった部下の女性と別の人生を送ろうと家を出たのだが・・・。ふたりの連絡を受け持っていた女(部下の女性の従妹)の悪だくみと情夫の入れ知恵によって、小塚は殺害されていた。これ以上ストーリーには触れない。
「支払い過ぎた縁談」(昭和32年)は地方の旧家の娘さんと父親が手の込んだ結婚詐欺に遭うという話。
どの作品もストーリーの展開がおもしろい。松本清張の作品の多くが映画化・ドラマ化されているのも分かる。