透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

1108 諏訪市岡村の火の見櫓

2018-10-22 | A 火の見櫓っておもしろい


1108 諏訪市岡村 貞松院の近く 4脚4444型(4角形の屋根、同形の見張り台、同踊り場が2ヶ所)
撮影日181021

■ 既に書いた通り、昨日(21日)茅野市内にあるフジモリ建築の見学に出かけた。ヤグラー・のぶさんからのメールでこの火の見櫓のことを知り、茅野への行き帰りにこの火の見櫓ともう1基を見てきた。

狭い生活道路沿いに立っていて、空き地などもなく全形を写すことはできなかった。



脚部直上、第1段目の横架材に取り付けてある銘板によりこの火の見櫓の竣工が大正15年(1926年)4月だと知る。92年も経っていることになるが、特に傷などは見当たらず、健全な状態だ。

踊り場と見張り台の正方形の床に平鋼を対角線の方向にすのこ状に設置している。この床面はとてもモダンな印象。







上の写真で分かる通り、2ヶ所ある踊り場の間に上面と下面の間を対角(という表現が幾何学的な意味において正しいのかどうか)に梯子を掛けて傾斜が最も緩くなるようにしている。踊り場に手すりはない。交叉ブレースがあるから省略したのだろう。



このような脚部のつくり方はここを行き来できるように、という配慮によるのだろうか。



 


フジモリ建築見学記 3

2018-10-22 | A あれこれ

低過庵

低過庵は動く建築だ。

 

 
低過庵(2017年)
 
屋根がスライドして開く。



階段を4、5段降りて躙り口から茶室に入る。広さは3帖強くらいか。

屋根が閉じていて内部はかなり暗かった。しばらくして、茅野市の職員が屋根をスライドさせて開ける。眩しいほど明るく感じる。高過庵が見える。

 
壁炉(などという呼称があるのかどうか)            黄色味を帯びているが、左の写真と同様、天井の漆喰も白色。


屋根が解放されて、高過庵が見えている。

壁は杉の積層材。帯状にマスキングしてから漆喰を塗って仕上げている。約1.5m地中に埋まっているとのこと。だが、湿気っぽくない。
 


壁に付けた短い握り棒に掴まると登りやすい。こういう配慮がうれしい。

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3つの茶室の内部を同日に見学できたのは実にラッキーだった。 このような建築を発想できるのは、藤森さんが旺盛な知的好奇心と遊び心を持ち続けておられるからだろう。次なる作品の出現を楽しみにしたい。