■ この映画の原作、森下典子のエッセイを読んで、映画が公開されたら是非観たいと思っていた(過去ログ)。 近くのシネコンで今日(23日)から公開されたので早速観てきた。
小説ではない原作をどのような映画に仕立て上げるのだろう。稽古を重ねるに連れて、例えば季節によって雨音が違うことや、水とお湯でも音が違うことに気がつく様をどのように描くのだろう・・・。説明的なナレーションに頼っていた部分が少なからずあったのは仕方がないことだろう。
お茶の武田先生役の樹木希林の所作は自然で、演じていると感じさせないのはさすが。主人公の典子を演じている黒木華はNHKの土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」で主人公の料理人・澪を好演していたが、やはり彼女の演技はすばらしい。典子のいとこ・美智子役の多部未華子はかわいい。 なかなか好い配役だ。
庭の木々の季節のうつろい、床の間の生け花、茶碗、和菓子、柄杓、茶さじ・・・。茶道は自然と共にある文化だと映像を通じて改めて思った。
『自慢できる茶室をつくるために』根岸照彦/淡交社
今から30年前の1988年5月に買い求め、何回も読んで茶室の基礎を学んだ本。中身は実用的で分かりやすく、充実している。