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『進化の設計』佐貫亦男(講談社学術文庫2009年1刷)
■ 著者の佐貫亦男氏の専門は航空工学。工学的視点から造物主(*1)の生き物の設計、デザインを論じるという、生物学的なアプローチで説くものとは全く異なるユニークな進化論。
**シルル紀では造物主が魚類の設計に凝って、しきりに図面をひき、つぎのデボン紀で試作テストをしたようである。出来の悪い試作品については、もうシルル紀の終わりであきらめたことを、前の章で述べた。もう少し粘ってはみたものの、デボン紀にはかなりの生産中止品が出る。**(45頁)
奥付の著者紹介文にエッセイストとしても知られるとあるが、佐貫さんは文章が上手く、読んでおもしろい。
*1 アーサー・C・クラークは造物主(神)をモノリスという石板に可視化して表現した、と私は解釈している。