透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「影の地帯」松本清張

2020-06-24 | H ぼくはこんな本を読んできた

 松本清張は数多くの作品を残したが、代表作を挙げよと言われれば多くの人が『点と線』を挙げるだろう。清張ファンでなくても『点と線』という印象的なタイトルを知っている人は多いのでは。映画になり、テレビドラマにもなった『砂の器』を代表作として挙げる人も少なくないかもしれない。私はこの2作品に『ゼロの焦点』を加える。



既にこのブログに書いたが、ぼくが読書好きになったきっかけは中学生の時に『砂の器』を読んだことだった。この時は友達のお父さんから借りて読んだから、手元に本はなかったが、最近続けて2冊入手できた。 『砂の器』は文庫本ではなく、カッパ・ノベルスでなくてはならない。


『砂の器』カッパ・ノベルス 光文社 
左は1961年26版、右は1976年の発行で、なんと263版!

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松本清張の作品は文庫で何作も読んできたが、先日の減冊で処分してしまったので、文庫で書棚に残るのは『影の地帯』(新潮文庫1998年55刷)のみ。意識的にこの本を残したというわけではない、偶々残っていたのだった。この作品の初読もカッパ・ノベルスだったと思う。

松本清張の作品には地方の自然や歴史などを織り込んだものが多い。『影の地帯』は長野県の青木湖や木崎湖、野尻湖などが重要な舞台として出てくるということで記憶に残る作品。

清張作品で再読するなら『火の路』(過去ログ)かな。ただし手元にないから買い求めて。