■ 上伊那郡辰野町の横川地区は横川川沿いに集落が点在している。谷あいの川沿いに連なる集落ではその地形的な条件から必然的に「道路山水」的風景が見られる。横川も例外ではない。道路の両側の家屋や庭木などで遠近感が強調され、そこに火の見櫓が立つ魅力的な風景が何か所も見られる。
今日(21日)、長い外出自粛を解いて横川へスケッチに出かけた。描いたのはこの写真の風景。魅力的な「道路山水」風景だ。ただしスケッチするのは難しい。背景の山を遠景として扱い、表現を省略するには近すぎる。中景の針葉樹の連なりをどう描くか・・・。その後方に連なる山の色をどうするか。道路が直線ではないから道路沿いの民家の向きがそれぞれ違う。道路は右に曲がってブロック塀に隠されて見えなくなっているが、その道路から白壁の蔵に至る幅広の上り坂が伸びている。複雑な構図だ。この風景を例によって鉛筆で下描きをしないで、ペンで線描する。そう一発勝負。線描にはいつもより時間がかかり、9時過ぎに始めて終わったのが10時半ころだった。いつもはその場で着色までして完成させてしまうが、今日は自宅に帰ってから着色した。
火の見櫓のある風景 上伊那郡辰野町横川にて
時間をかけて正確にそして細密に描写することをぼくは好まない。旅行先でササっとスケッチできたらいいなと思っている。いつかそんなスケッチ旅がしたい。