■ 日本ほど自国の文化論が書かれ、読まれている国は他にない、とよく指摘される。本書の解説(高階秀爾氏)によると、戦後に発表された「日本人論」は千点を超えるそうだ。私も日本人論、日本文化論が好きだ。
2007年(*1)に読んだ『「縮み」志向の日本人』李 御寧(講談社学術文庫2007年第1刷)は日本人の縮み志向、縮み好きに注目した日本人論。豊富な例示、説得力のある論考。
団扇を扇子に、庭園を箱庭に縮めてしまった日本人。縮めたものは他にも茶室とその入口の躙り口、そして正座。それから盆栽、折詰弁当、和歌、俳句、ウォークマン・・・、などいくらでもある。
「中銀カプセルタワービル」は黒川紀章も縮み志向の日本人だからこそ発想できた建築なのかもしれない(こじつけかな。これは論理的な推論としては正しくない。日本人に縮み志向があるからといって全員に当てはまるわけではないから。まあ、日常雑記ということで厳密性は問わないことに)。日本のプロジェクトということもあったのかも。
*1 2006年にブログを始めたので2007年に読んだこの本についても書いている。