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■ 朝カフェ読書。永井荷風の代表作『濹東綺譚』を読み始める。黄色のテープ、40代に読んだ本。随分久しぶりの再読だ。
昭和12年(1937年)に発表された作品。モデルは荷風自身と思われる小説家の大江 匡と私娼のお雪との出会いから別れまで。現代だと小説として成立するかどうか、起伏に乏しいふたりの情交が静かに描かれる。
このような小説を文庫で、それも岩波文庫で読むのもいいものだ。今の文庫本は活字が大きくて読みやすいが、本好きの私は細かい活字びっしりの昔の文庫本の方が好き。読んでいるという実感!