透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「文学的商品学」

2008-02-18 | A 読書日記



■ Aモード全開ではありますが、Bモードでも書いておこうと今回は『文学的商品学』斎藤美奈子/文春文庫を取り上げます。このところ読書欲が乏しく、エッセイのような軽いものを読んでいます。

南大門が放火によって焼失したと知ったとき直ちに『金閣寺』三島由紀夫を思い浮かべましたが、再読しようという気にはなりませんでした。

この『文学的商品学』は帯にもあるように商品情報を読むように小説を読んでいます。さらに帯に倣えば川端康成から、村上春樹まで、のべ70人の82作品を、ファッション、食べ物、貧乏など、9つのテーマで読み解いたものです。『文壇アイドル論』などユニークな視点で書いている作家だということは承知していましたが、作品を読むのはこれがたぶん初めて。この本を昨日ザックリと読んでみました。この作家にかかれば渡辺淳一さんのファッション描写など形無しです。

作家も編集者も気がつかない明らかな間違い、例えば地理の間違い、そう地図を基に書いて取材をしないで済ましたような場合には、??な描写ってあるんですね。推理小説のトリックを有り得な~い!と指摘している評論もあります。

ときにはこんな本を読んでみるのも楽しいものです。


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