■ 私の読まずに死ねるか本『源氏物語(現代語訳)』を2022年に読むことができた。 他にこのような本は特にないので、これからは現代史それも第二次世界大戦の関連本を読もうと思っている。第二次世界大戦について学ぶことの意義は大きいと思うから。
先日『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』麻田雅文(中公新書2024年)を読んだ。奥付に2024年4月25日初版、2024年8月10日6版とあるから、よく読まれているのだろう。
日露戦争ではなくて、日ソ戦争?
日ソ戦争の説明が本書のカバー折り返しにある。**日ソ戦争とは、1945年8月8日から9月上旬まで満州・朝鮮半島・南樺太・千島列島で行われた第2次世界大戦最後の全面戦争である。**(第二次世界大戦と表記することが一般的ではないかと思われるが、この文章では第2次世界大戦になっている)
千島列島が戦場だったということすら知らなかった・・・。
**一九四五年八月八日、ソ連は日本へ戦線布告した。
なぜ、ソ連は第二次世界大戦の終りになって参戦したのか。
日本はなぜこの直前まで、ソ連に期待して外交を続けていたのか。
玉音放送が流れた八月一五日以降も、なぜ日ソ両軍は戦い続けたのか。**(ⅰ)
著者の麻田雅文さんは「はじめに」でこのように本書で論ずるテーマを示し、続けて**一九四五年夏にソ連と繰り広げた戦争について、日本ではいまだに正式な名称すらない。**と指摘、本書では「日ソ戦争」としたいと書いている。
短期間だったのに、日ソ戦争の両軍兵士は、ソ連軍がおよそ185万人、日本軍も100万人を超えたという。
本書の帯から引く。**本書は新史料を駆使し、米国のソ連への参戦要請から各地での戦闘の実態、終戦までの全貌を描く。** 新史料。なるほど、巻末の参考文献リストにはロシア語の公刊史料が2ページに亘って掲載されている。
「新しい戦前になるんじゃないでしょうか」 2022年の暮れに「徹子の部屋」に出演したタモリは徹子さんの「2023年はどんな年になるでしょう」という問いに、このように答えた。ぼくは偶々この番組を見ていた。「新しい戦前」ということばは的確に日本の現在の状況を表現している。
敵基地攻撃能力(反撃能力)保有。戦争ができない国、戦争をしない国だった日本は、今や戦争ができる国、戦争をする国に変わってしまった・・・。