■ 5月の読了本は6冊。何でも読んでやろうなどと思ってはいてもやはり読みたい本を読んでいる。
『人情裏長屋』 山本周五郎/新潮文庫
時代小説はあまり読んでこなかったということもあって、山本周五郎の作品を今まで読んだことがなかった。で、初めて読んだのがこの短編集。11編の短編が収録されているが、印象に残った作品は「ゆうれい貸屋」。男と幽霊の女が結婚、幽霊を貸し出す珍商売を始めるが・・・。多くの作品が新潮文庫になっている。この秋に他の作品も読んでみよう。
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 村上春樹/文藝春秋
久しぶりに村上作品を読んだ。シンプルなストーリー。突然断ち切られてしまった仲間との絆。主人公のつくるはその理由を探り、関係を修復するための旅に出る・・・。過去ログ
初期の作品、例えば『羊をめぐる冒険』などと比べると、あっさりしていて分かりやすくなった印象。初期の作品にある地下の迷路でも歩いて行くような雰囲気が薄れていると感じる。
『古事記の宇宙―神と自然』 千田 稔/中公新書
古事記で読み解く日本人の自然観。
『身体知』 内田 樹・三砂ちづる/講談社+α文庫
**言語化される以前の受容の感覚、自分の思いが相手に伝わっている、という安心感が必要なのだと思います。**という三砂さんの指摘。
『伊勢神宮―東アジアのアマテラス』 千田 稔/中公新書
この国は辺境の地にある。大陸から朝鮮半島を経て伝わってくる諸文化を受け渡す次の国がないという地理的条件から、何でも受け入れる土壌ができた。古事記神話も中国をはじめ、周辺の国の神話を受け入れてできた、ということか。
『密教』 松長有慶/岩波新書
仏教では思想、教義を徹底的に言語化する。またその広大な世界を曼荼羅でビジュアルに表現、可視化する。だが、なかなか理解の及ばない世界・・・。
さて、6月は何を読む?