■ 本と建築のことを書こうと思ってこのブログを始めたのですが、私のような発散型人間にはテーマ限定ブログは無理で、結局いろんなことを書くようになってしまいました。
「繰り返しの美学」でも、対象として考えていたのはこの写真のようにあくまでも建築でした。そう、建築に繰り返しの美学を見い出そう、繰り返しの美学という視点で建築を観察してみようという試みでしたが、いつの間にかその箍(たが)が外れてしまいました。
今回は久々に路上観察です。
松本市内某所で見かけた住宅です。軒桁に丸太を用いています。写真はその交叉部です。桁の上端は屋根の勾配に合わせて落としてあって、そこに垂木が埋め込まれています。交叉部には隅木が架かり、丸太に比べてかなり細い柱で受けています。
昔の大工さんは朝飯前だったかどうか分かりませんが、こんなにすごい仕事をしていたんですよね、普通に。墨付けをしてノミなどの大工道具を使って、このような仕口や継ぎ手を加工するのが当たり前でした。でも今は大工さんに替わって機械が加工するようになりました(なってしまいました)。
この国にはるか昔から連綿と続いてきた木の文化の危機です。設計者には 大工さんの技を活かす建築を構想する力が求められている、ということでしょう・・・。