透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

方丈庵

2013-06-24 | A あれこれ

 

 昨日(23日)「ポートメッセなごや」で開催されたセミナーに参加した。名古屋は久しぶりだった。会場では「住まいの耐震博覧会」という展示会が行われていて、セミナー前に少しだけ見てまわった。私がおもしろいと思ったのはこの方丈庵。

「丈」はあまりなじみがないが、長さの単位で1丈は10尺、約3メートル。「方」は正方形、長方形の方で四角という意味。だから方丈とは辺の長さが約3メートルの正方形のこと。4帖半は辺の長さが9尺、約2.7メートルの正方形だから、それよりひと回り大きい。

鴨長明の随筆の方丈記という名前は方丈の大きさの庵で綴られたことに由来するが、方丈庵というネーミングはこのことを意識したものだろう。





方丈庵の内部はこんな様子。柱サイズの部材を金物で接合して立体トラスをつくっている。木造の場合には接合部の構造解析、設計が難しいが、金物を使えばこんなこともできるという好例とみた。金物を使わないでこのように部材を接合するのは難しいだろう。どんな仕口にすればいいのか見当もつかない。伝統的な仕口では対処できないのでは・・・。



案内の看板によると、普段は趣味の部屋として使っていて、震災時にはエマージェンシーハウスとして使うというもの。シンプルな形がなかなかいい。それに黒の板壁と木地の窓枠の組み合わせもいい。

柱脚がどうなっているのか、建設コストはどのくらいかなどについて確認しておけばよかったなと今になって思う。何でもそうだが、後で後悔しないようにきちんと調べておくことが肝心だと反省・・・。