映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

うつせみ  キムギドク

2009-09-06 20:41:28 | 映画(韓国映画 2019年以前)
「春夏秋冬そして春」に衝撃を受けて見たキムギドク作品である。原題は「空き家」だそうだ。その名の通り、留守宅に入り込み自由にそこで振舞う男の姿を描く。セリフが少なくて、その思いを90分以内に簡潔に画像で表現するキム監督の傑作である。

主人公はビラを玄関に貼り付け、その玄関のビラが取られていないかで留守を確認して、鍵をこじ開け室内に入る男である。室内に入った後は自由に自分で食事を作ったり、風呂に入ったり、中にある写真を見ながら夢想を働かせたりしている。あるとき入った富豪の家で、たまたま夫に家庭内暴力で顔を負傷してしまった女性と出くわした。いつもとは違い中での振る舞いをその女性に見られていて、途中で声をかけられる。女性は主人公に関心を持つ。旦那が帰ってきたときに、主人公はゴルフボールを旦那の身体にアイアンクラブでうち込み、女性を連れ去っていく。その後も二人で同じように他人の家に忍び込むが。。。。。

原作の発想がユニークだ。それを演じる主人公も身のこなしが軽く、題意にあっている。主人公のセリフがまったくない。でも映像でその真意が伝わる。
他の登場人物もその役にあった適切な演技を見せる。富豪の暴力男もいかにも韓国人らしい暴れん坊だ。贈賄シーンも出てくるが、これも歴代の大統領が収賄で次々逮捕される韓国の風土らしい姿だ。住宅に入り込むので、韓国人がどんな家に住んでいるのかがよくわかる。高級住宅街の邸宅、古くからの韓国風の建物、団地、マンションで現代の韓国住宅事情が見えてくる。

映画を見れば見るほどキム・ギドクはすごい男だ。しばらくは彼を追っかけてみたい。
コメント (3)
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リンダリンダリンダ  香椎由宇

2009-09-06 06:51:50 | 映画(日本 2000年以降主演女性)
高校の学園祭のシーズンである。学園祭を描いた青春映画はたくさんある。その中で「リンダリンダリンダ」は大げさにファンキーにならず、静かにじわりじわり後半に向かって盛り上げていく流れである。制服姿の若者たちがまぶしい。うらやましいと思いながらパワーをいただきに行く。

ある地方の共学高校でバンドを組む女の子たち。高校の学園祭を目指していた。ところがトラブルでバンドが分裂の危機となる。残った三人前田亜季、関根史織、香椎由宇はそれでも文化祭の参加を目指す。ボーカルがいない中、参加したのは韓国人の留学生ぺ・ドゥナ。まともに日本語がしゃべれるわけではない。それでもブルーハーツの「リンダリンダリンダ」を歌おうと練習に励みだすが。。。。

突っ張っているギター香椎、黙々と弾く4人姉弟の姉さんベース関根、かわいい女性的なドラムス前田に加えての留学生ぺのボーカルである。ボーカルはカラオケ屋に行って歌の練習をしようとするが、ドリンクを頼まないとだめよといわれて、自分はペットボトルの水を持っているから、ドリンクはいらないと店員と何度もやり取りするところはなかなかの名場面だ。そういう逸話を交えながら後半に向かっていく。個人的には美人の香椎よりもベースの関根史織の淡々としたところに好感が持てた。地味だけどベースのコードラインかっこいいなあ!
文化祭!いい響きだ。あのころに戻りたい
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