映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

私をスキーに連れていって  原田知世

2009-11-22 07:36:01 | 映画(日本 昭和49~63年)
ここに来て寒さが増してきた。ジングルベルが鳴るころには、毎年この映画を観ながらスキーの計画を練ったものだった。この映画を観るとスキーに行きたくなる。そういう吸引力を持った87年のホイチョイプロダクションによる作品である。90年代のトレンディドラマの流れを先駆したという意味で、日本映画界における存在感が大きい映画だと私は思う。

三上博史は独身スキー狂。商社勤務で地味な軽金属部にいるが、むしろ田中邦衛がいるスポーツ部に入りびたりである。昔からの仲間である沖田浩之、原田知世の姉上、布施博、高橋ひとみとつるんでスキーに行っている。今回は三上の相手になる女性一人を連れて来ているが彼はのれていない。そんな時、ゲレンデで出あったのが原田知世である。初心者に毛の生えたような腕前だ。その彼女を指導しつつ仲良くなる。しかし、後もう一歩というところで布施博が同伴の女の子を二人がいる前につれてきて、仕方なく三上は一緒にすべる。原田は落胆して、仲間の鳥越まりと去ろうとするが、三上は原田の電話番号を聞く。

しかし、街に戻って原田の電話番号をまわすが通じない。どうやら偽の番号を教えられたようである。失意の中、仕事で大きな失敗をしてしまい、上司と一緒に役員の部屋に怒られにいった。その時お茶を持ってきたのがなんとゲレンデで逢った原田知世であった。同じ会社の秘書課にいたのである。。。。。

ユーミンの「サーフ&スノー」が出たのはこの映画の10年以上前だと思う。正直どうってことないなあと思っていた。しかし、この映画のイントロで流れるのを観て、スキーには欠かせない曲になった。映画の内容の詳細は忘れても、三上博史が車でカセットを入れるシーンが忘れられない。「恋人がサンタクロース」も同様である。ゲレンデで流れていると、ノリが良くなる。

何よりも「ブリザード」だ。滑走不可の雪山の中、原田知世三上博史が追いかける有名なシーンがある。今回もそこでこの曲が流れたとたん、やはり背筋が「ゾク!」となった。最高である。この映画のためにつくられたわけでないのに、ものすごく合っている。この映画の後くらいからであろう。冬にユーミンのCDがバカ売れしたのは。それにこの映画は多少は影響している気がする。

原田知世三上博史が滑っているところを指で「バーン」と撃つ、これまた有名なシーンがある。なんとかわいいことか。角川映画であたりまくったあとでこの映画ができたと思う。そこに絡むのが、原田の姉上と高橋ひとみである。スタート前に路面の状態を指で触った後に、セリカで暴走する二人の姿は実にかっこいい。当時スキーをすべる連中にセリカがはやった気がする。

布施博が売れ始めたのもこの映画からではないか?満面に笑みを浮かべた彼のやわらかさがよく出ている。亡くなった沖田浩之も突っ張りキャラから転換するきっかけになった。「とりあえず」なんていいながら防水のカメラを写すシーンが懐かしい。

70年代後半には、大学からゲバ棒をもった学生がじょじょに去っていった。気難しいことは言わず、能天気にみんなで遊ぼう。という空気が強くなった。最初は不良の溜まり場に過ぎなかった「ディスコ」が大学生の溜まり場になっていったのが70年代を終えようとしたころで、80年代はまさに一般学生の社交場になった。そういう学生生活を送っていた連中が社会人になって、その生活をひきづるようにスキー場に繰り出していったのである。自分もそうだった。良い時代だったと思う。
でも残念ながらもう10年以上ゲレンデに立っていない。娘とまた復活するか。

参考作品

彼女が水着にきがえたら
原田知世&織田裕二で昭和の終わりを楽しむ


波の数だけ抱きしめて
中山美穂&織田裕二


私をスキーに連れてって
これを見たらスキーに行きたくなる
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