スピード感あふれる展開は何度みてもおもしろい。有名なテーマ曲にのって深作欣二監督は菅原文太、松方弘樹、梅宮辰夫らをアナーキーな世界で自由に右往左往させる。単に仁侠映画にとどまらない完成度の高い映画である。
昭和21年の広島呉の闇市の画像がいきなり現われる。米軍兵に追いかけられる若い女性、それを助けようと立ち向かう菅原文太が現われる。手持ちカメラでその動きを躍動感をもってとらえる。闇市の裏で勢力争いをするチンピラの中で少しづつグループが出来ていく。ちょっとした出来事で大暴れ。暴れん坊の一人を銃で撃って、菅原文太は刑務所へ入る。そこで梅宮辰夫と知り合い兄弟の杯を交わし、出所後組んでいこうと約束するが。。。。
約1時間半次から次へと暴れん坊たちがドンパチを繰り返す。その中で裏切りが繰り返され、どっちが味方だかわからなくなる。細かいことは忘れて、深作欣二ワールドに身を投げるしかない。普通にテレビを見る人だったら誰でも知っているこのテーマソングが殺しがおこなわれるたびに高らかに響き渡る。その動きを追うのは手持ちカメラのカメラマン。リアルだ。映画の中身に無駄がない。緩慢な時間がない。なんと完成度の高い映画であろうか。