映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

さらば愛しき大地  根津甚八

2010-09-19 18:14:56 | 映画(日本 昭和49~63年)
82年東京近郊の工業地帯として変貌をとげつつあった時期の鹿島、潮来地区を舞台にして一人のあばずれ男にスポットをあてる。根津甚八が自堕落な男を演じて、愛人役を秋吉久美子が演じる。



茨城県鹿島の一角に小さな農家がある。その一家に不幸が突然襲ってきた。最愛の息子二人が溺死してしまったのだ。妻山口美也子にあたる夫根津甚八は背中に観音像と子供の戒名を刺青し供養する。そんな折、根津は昼間は工場で働き、夜は母の飲み屋を手伝っていた秋吉久美子と親密になる。失意からなおらない根津と秋吉の同棲生活が始まった。数年たち、二人の間には娘も生まれ、依然として根津の二重生活は続く。しかし、日ごろの不安をまぎらわすために、覚せい剤を常用するようになる。一方、家では母の強い希望で東京から戻ってきた弟もダンプの運転手を始めていたが。。。。

現在の都市近郊の風景と比較すると、一時代前の田舎の匂いを残す。根津、秋吉の主演二人をバックアップする俳優には、にっかつポルノで見かける顔が多い。根津の妻役の山口美也子だけでなく、中島葵や白川和子、岡本麗などの往年のにっかつ女優に加えて、人気男優港雄一が登場する。それ自体でノスタルジックな匂いを醸し出す。
いいなあと感じたのはそののち「はぐれ刑事純情派」の藤田まことの同僚の婦人警官役などで堅気の女優に変身した岡本麗が「夜来香」を歌うシーンだ。台湾やフィリピンから稼ぎに出てきた女性が増えつつあった時期の光景を映し出し、岡本には台湾人を演じさせる。

支離滅裂な映画だと私は感じた。でもなつかしのにっかつポルノメンバーの登場で同窓会的な気分も感じさせてくれた。秋吉久美子は年齢を重ねた今の方がより妖艶に感じる気がする。

(参考作品)
さらば愛しき大地
ワイルド根津と美の絶頂秋吉久美子
コメント
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