映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

座頭市  ビートたけし

2010-09-26 17:31:35 | 映画(日本 2000年以降主演男性)
ビートたけしのつくった座頭市だ。個人的には彼の作品はあまり良いと思ったことがない。でもこれだけは別だ。オーソドックスな座頭市のストーリーの流れに乗って、たけし軍団を使ったコミカルな面やインド映画のような全員ダンスなど非常に楽しめる作品になっている。私は大好きだ。



盲目のあんま市ことビートたけしがある宿場町に到着した。その町はやくざの銀蔵一家に支配され町民たちは搾取されていた。脱藩した浪人こと浅野忠信も同じころこの町にたどりついた。自ら剣の実力を売り込み岸辺一徳率いる銀蔵一家の用心棒を勤めることになる。
市は賭場で遊び人ガダルカナル・タカと出会い、それが縁でその叔母こと大楠道代の家にやっかいになる。さいころの音を見抜く市と遊び人は賭場の博打で勝ち、誘いに来た芸者姉妹と遊びに出るが、彼女たちは彼らから金を巻き上げようとしていた。それを察した市は二人を問い詰めると、幼少時に両親を何者かに殺害され親の仇を探して旅をしていると言う。そして一緒に行動を共にすることに。。。。

時代劇の構図は、主人公と最も強い相手との剣劇をメインにして、対決に至る前に主人公と相手役の活躍をそれぞれ見せてから最終場面に持ち込むというパターンである。勝新太郎主演の第一回では、その対決相手が天地茂であった。今回は浅野忠信である。ちょうどこのあたりから浅野の演技が少しづつうまくなってきたところで、相手としては十分だったと思われる。前哨戦のビートたけしの剣劇も冴えまくる。

黒沢明監督の時代劇でも、シリアスな剣劇にとどめないで、コメディ的な要素をかなり付け加えていたと思う。さすがに冗談が言える役ではないので、たけしは沈黙。その分ガダルカナル・タカにかなりお笑いの場面をやらせた。この柔らかみがよかったのだと思う。
石倉三郎はいつもながら滑稽な動きを見せる。岸辺一徳も悪くはないが、最近の方が冷徹な表情がうまくなっている印象だ。柄本明、樋浦勉など日本映画を代表する脇役が映画にスパイスをきかせる。



最後のダンスはこの後の作品であるが「スラムドックミリオネア」を思わせる。「スラムドック」も最終にインド映画特有のダンスを持ってきた。このタイミングが一緒である。この時代にあんな踊りなんて踊るわけないと思いながらも、お祭りで興がのったらおおらかにこんなことあるかもしれないなあと思った。
コメント
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