映画とライフデザイン

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ブラックスワン  ナタリーポートマン

2011-05-25 16:28:52 | 映画(自分好みベスト100)
映画「ブラックスワン」劇場で見てきました。幻惑されました。
ナタリーポートマンがオスカー主演女優賞をとったとなると、映画館で見るしかありません。音響効果も抜群で映画館で見て良かったと思った。
大役に抜擢されたバレリーナが、そのプレッシャーから少しずつ心のバランスを崩壊させていく。苦悩する。サイコサスペンスと言うべきであろうか?現実と悪夢が交錯する映像に完全に幻惑された。



主人公のバレリーナ二ナことナタリー・ポートマンはニューヨークのバレエ・カンパニーに所属する。元ダンサーの母親ことバーバラ・ハーシーの過保護に近い干渉のもとトッププリマを目指していた。そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れる。純真な白鳥の女王だけであれば、問題なくこなす彼女は邪悪な黒鳥も演じねばならない。演出家ことヴァンサン・ カッセルからするとそこが難しいと思っていた。
売り込みに演出家の部屋に行った彼女は彼から突然キスされる。ナタリーは突然の行為に腹を立て彼の舌をかむ。そんなことがあり、プリマは外されると思っていた。あきらめていたところが、ふたを開けると自分の抜擢だった。舌をかむ彼女の激しさを演出家がかったのだ。
しかし、この難役は、優等生タイプのナタリーにとってハードルの高すぎる挑戦であった。演出家からの指導に心のバランスを崩すナタリー。そこにさらに黒鳥役が似合う奔放な新人ダンサー、リリーことミラ・クニスが出現する。精神的にますます追いつめられる。やがて役作りに没頭するあまり極度の混乱に陥ったのだが。。。。


悪夢と現実が交錯する。映画では悪夢であっても、出演者は両方実際に演じなければならない。これを演じるのは大変だ。スリラーとゴシックホラーが入り混じった映画だけに本当に大変だ。主役のナタリーポートマンだけでなくライバル役のミラク二スには敬意を表したい。

「イヴの総て」を思わせる新旧ヒロインの逆転劇もそこにはある。同じバレエ題材の「愛と喝采の日々」も連想させる。ライバルとの葛藤は同じだ。落差が激しい画面で、官能的な場面を織り交ぜながら狂気に迫る。徐々に映画のテンションが高まる。そこに激しくチャイコフスキーの音楽が高らかになり響く。ますますテンションがあがる。同時にのけぞってしまうような怖いシーンも現れる。

監督のダーレン・アロノフスキー「レスラー」では静かに衰えたレスラーを描いた。この映画の方がかなり動的ではないかと思う。映像の中のナタリーの出演場面が多い。手持ちカメラは常にナタリーポートマンを追いかける。舐めるように追いかける。手持ちカメラ中心の映像には臨場感がある。現実的な印象をもたせる。でもときおりカメラは観客を強烈に覚醒させる。
映像作りにはおそれいった。

「レオン」は大好きな作品だ。スピード感がすばらしい。その作品で天才子役として売り出したナタリーポートマン「クローサー」で自分をハッとさせた。あの映画のストリッパー役で、格上のジュリアロバーツを完全にくってしまった。でも「クローサー」を最初見たときに、「レオン」に出ていた彼女と全く気付かなかった。その後もキャリアを高めていくが、「クローサー」を超える作品はないと思っていた。
この作品で明らかに一皮むけた。まさに大女優への道を歩んでいく姿が目に浮かぶ。



ミラ・クニスもすごい。ナタリーポートマンと同じくらいに評価されるべきであろう。背中に強烈なタトゥーがあるワイルドなダンサーを実にうまく演じた。実にエキゾチックだ。ちょっぴりあばずれな役を演じさせると天下一品だ。ナタリーポートマンとの官能的絡みのシーンはぞくぞくさせられた。へたなエロ映画よりも股間が刺激された。
コメント
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