映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

オーケストラ!

2011-05-11 18:42:22 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「オーケストラ!」は想像以上におもしろかった。元気が出る映画だ。
旧ソ連時代に地位を奪われたロシアの元天才指揮者が、30年後の今、共に音楽界を追われた演奏家たちを集め、ボリショイ交響楽団に成り済ましてパリ公演を行う話だ。単純な話と思しき映画だが、徐々に盛り上がる熱い感動に胸がジーンときた。


モスクワの劇場清掃員として働く主人公アンドレイ・フィリポフことアレクセイ・グシュコブは、ロシア・ボリショイ交響楽団で主席を務めた天才指揮者だった。彼は、30年前“ユダヤ主義者と人民の敵”と称されたユダヤ系の演奏家たち全員の排斥を拒絶して解雇された。ある日、清掃中にアンドレイは、1枚のFAXを目にする。それは、パリの音楽の殿堂シャトレ座に出演するオーケストラを2週間以内に見つけたいという内容だった。その瞬間、彼は、かつての仲間を集めて偽のオーケストラを結成、ボリショイ交響楽団代表としてパリに乗り込むことを思いつく。


アンドレイはまず、元チェロ奏者で今は救急車の運転手に話を持ちかける。呆気にとられるが、アンドレイの熱意に押され、一緒に昔の仲間を訪ねていた。最後に干されたマネジャーまで引っ張り出し、タクシー運転手、蚤の市業者、ポルノ映画の効果音担当……モスクワの片隅でかろうじて生計をたてている彼らを訪ねる。ほとんどが二つ返事で承諾する。演奏曲はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ソリストはパリの若手バイオリニストであるアンヌ=マリー・ジャケことメラニー・ロランを指名。受け入れないと思っていたオーダーを彼女が受託しパリ行きが本当のものになりそうであったが。。。。。

オーケストラだけに登場人物が多い。でもそんなに複雑にはならない。キーとなる指揮者を主役として流れから外していないので、ストーリーが大きく脱線しない。わかりやすい脚本だ。
単純な構図ではあるが、共産党独裁時代、ロシアにおけるユダヤ人問題など政治的要素も加わり、見ようによっては壮大なテーマである。設定がありえそうにないのに、共産圏の政権の大変動もあったので、もしかしたらこんなことあるかもと思わせるのは映画脚本がうまいのかと思う。
主役のアレクセイ・グシュコブはポーランド人、準主役のフランス人若手美人女優メラニー・ロランはユダヤ系である。同時にフランスやロシアの俳優も大勢引っ張り出す。人種のるつぼといった感じだ。ここではあえてユダヤ系登場人物のせこさを前面に出す。


コメディタッチで数多くの俳優を平等に活躍させる中、やはり際立つのがメラニー・ロランの美貌であろう。現代的な美貌の中にバイオリニスト役としても通じる上品さを兼ね備える。タランティーノの「イングロリアルバスターズ」にも出演と、将来の活躍を予感させる大器である。

最後にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を迫力満点に楽しめた。
これは本当によかった。
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プロフィル 好きなもの

2011-05-11 09:45:04 | プロフィル
好きな町  香港、横浜元町、神保町、神楽坂

好きな花  梅

好きな映画ベスト3 アラビアのロレンス、ブルースブラザーズ、天国と地獄

好きな映画監督 クリントイーストウッド、デイヴィッド・リーン、黒澤明、神代辰巳

好きな男優  クリントイーストウッド、トムクルーズ

好きな女優  イ・ジウン、江口のりこ、スカーレット・ヨハンソン

好きな飲み物  サンセール(フランスワイン)、富乃宝山のお湯割り、カナディアンクラブのソーダ割り

好きな歌手  矢沢永吉、吉田美奈子、森高千里

好きな演奏家  マルタ・アルゲリッチ、マイルスデイビス、高中正義

好きな作曲家  ラフマニノフ、ベートーベン、ポールマッカートニー

好きな音楽ジャンル  70年代のポップス、ソウル 70年代後半~80年前後のファンキーM&フュージョン

好きな曲 高中正義「サンドロップス」、クルセーダース「ラストコール」、マイルスデイヴィス「スパニッシュキー」

好きな野球選手  王貞治、テッドウィリアムス、江夏豊

好きな駅  御茶ノ水

好きなブランド ブルックスブラザース

好きな画家  クロード・モネ、エドワード・ホッパー

好きな科目  現代中国史、統計学、歴史社会学

好きな作家  村上春樹、色川武大(阿佐田哲也)、中島敦

好きな本 城山三郎「成算あり」松本富雄「超ニ流セールスマンへの道」星野博美「コンニャク漂流記」

好きな小説   宮本輝「錦繍」、村上春樹「国境の南太陽の西」、中島敦「山月記」、ドストエフスキー「賭博者」

好きな古典  クラウゼヴィッツ「戦争論」、ミルトン・フリードマン「資本主義と自由」、アダムスミス「国富論(諸国民の富)」、フリードリヒ・ハイエク「隷属への道」

好きな学者  ミルトン・フリードマン、アダムスミス、ジョン・メイナード・ケインズ

好きなお守り  宮城県 金華山黄金山神社のストラップ

好きな料理  デリーのタンドリーチキン、四川風マーボー豆腐、ボルシチ

持っている資格 映画検定二級

小学生の時なりたかった仕事 スポーツのアナウンサー

行ってみたいところ  高知県、イグアスの滝、カスバ

この世に生れて一番うまかった3つの料理
香港「福臨門」福建炒飯、和歌山 クエチリ、桑名「柿安」肉の網焼き

好きな古典曲  ラフマニノフピアノ協奏曲2番、ベートーベンピアノソナタ悲愴、ホルスト「惑星」、マーラー交響曲第5番、プロコティエフピアノ協奏曲第3番
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サマーウォーズ

2011-05-11 08:02:39 | 映画(日本 2000年以降主演男性)
「サマーウォーズ」は細田守監督が描くオリジナル長編アニメーション映画だ。数学が得意だが気弱な高校2年生の健二は、憧れの先輩・夏希に頼まれ、彼女の実家で夏希のフィアンセとして過ごすことになる。健二はネット上の仮想空間OZで起きた事件に巻き込まれ、その影響が現実世界にも波及するという話だ。仮想空間とは正反対の長野県上田市の田舎を舞台にして人情とハイテクの両面を描くアニメだ。


東京の高校2年生である主人公小磯健二は、数学が得意な高校生だ。しかし、数学オリンピック日本代表の座を取りそこないがっかりしていた。夏休みにふとしたきっかけから憧れの先輩、篠原夏希に誘われて長野県の上田市を訪ねた。向かっていた上田には夏希の曾祖母陣内栄がいた。陣内家は室町時代から続く旧家で、栄の90歳の誕生日を祝うため、各地から多彩な親戚が集まってくる。そこで健二は突然、夏希から将来のフィアンセを装うよう頼まれる。健二は困惑しながらも栄のために4日間の滞在をすることになった。



その夜、不審な数学クイズのメールを受け取った健二は、数学好きの虫が疼きだし夜を徹して解答する。翌朝、仮想都市OZに出現した謎のアバター“ラブマシーン”は、完全無欠と思われていたOZ管理棟のパスワードを入手する。健二を始めとする多くのアバターにクイズ形式で解析させていたのだ。OZの心臓部に侵入したラブマシーンは4億人以上のアカウントを奪取、現実の世界を一変させてしまう。緊急通報システムと交通管理システムを麻痺させ、警察や消防署、病院は機能しなくなり、大混乱に陥っていったが。。。。


都市部の風景だけを映すだけのではなく、田園地帯を臨む上田を舞台にしたところがこの映画の成功したところであろう。オタク達だけが登場しての仮想空間での争いという一面では見るものも疲れてしまう。誰もが夏休みにはのどかな田舎で過ごしたいものである。なぜ上田?と一瞬思ってしまうが、真田幸村の反目の戦いという歴史的ルーツを引っかけた部分もあるのであろう。

大学の時、合宿はいつも長野の高原地帯でやっていた。その途中で先輩の出身地である上田にも寄ったことがある。最近は変わったかもしれないが、典型的な田舎だった。
劇中、親戚の一人に上田高校野球部員がいて、高校野球の長野大会をテレビで映し出す場面が出てくる。こういう時は、架空の高校名を出すのが一般的であるが、上田高校、松商学園とリアルな名前をだす。なぜか自分の人生の中で、不思議なくらい上田高校出身者に縁がある。高校の理科の教員が上田高校出身、大学のときにはクラブの1年、2年先輩、1年後輩にも上田高校出身者がいた。クラスメイトに1人いた。会社に入ってからも6年間世話になった支店長が上田高校出身、重要顧客にもいらっしゃった。みんなまじめな人たちだ。大学の時宴会芸で先輩たちが上田高校校歌を歌っていた。これが実にいい歌で、関係ない連中までこの歌を覚えてしまった。真田の戦いを連想させる格調高雅な歌だ。実は今でも僕はこの歌をそらで歌える。奇妙な話だ。自分の出身校以外でさびだけでなく歌詞まで正確に歌えるのはこの歌だけだ。そんなこともあり、この映画に妙に親近感があった。

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