映画「スティルウォーター」を映画館で観てきました。
映画「スティルウォーター」はマット・デイモン主演の最新作、アカデミー賞作品賞を受賞した「スポットライト」や「扉を叩く人」のトムマッカーシー監督作品となれば観てみたくなり映画館に向かう。オクラホマの下層労働者という設定のマットデイモンのアメリカでの映像はあるが、主たる物語はフランスマルセイユで展開する。マルセイユの海岸の映像は信じられないくらい美しい。
アメリカの石油会社で掘削労働者の主人公がフランスマルセイユで殺人罪で逮捕された娘の無実を証明するため、わずかな証言をもとに現地で知り合ったシングルマザーとともに真犯人を捜す話である。謎解きの要素もある。ただ、登場人物の誰もが容認できるキャラクターではない。みんな変な奴らばかりであり、受ける感触は良くないので不快になってしまう。
米オクラホマ州の街スティルウォーターでもともと石油掘削の仕事をしていて今は解体業をしているビル(マット・デイモン)は、留学先のフランスマルセイユでレズビアンのガールフレンドを殺した殺人罪で捕まり懲役9年の判決を受け刑務所に収監されている娘アリソン(アビゲイル・ブレスリン)の真実を訴える手紙をもとに無実を証明しようとする。
現地で知り合ったシングルマザーにも協力を求める。言葉の壁もあり、はかどらないし、意見が対立してシングルマザーとケンカして決裂する。しかし、現地の不良の一味に捕まり暴行を受けたりした後で、再度シングルマザー母娘と交情を温めてマルセイユの生活に馴染んでいくのであるが。。。
⒈社会派的色彩
これまでのトム(トーマス)マッカーシー監督の映画はだいたい観てきたし、好感が持てる作品がほとんどだ。「扉を叩く人」では難民問題に言及し、「スポットライト」では教会聖職者の性的いたずらに焦点を合わせた。いずれもドキュメンタリーではなくフィクションだが、社会派の色彩が強い作品だ。
いくつかの写真の中に犯人がいてそれを指さす場面で、普通にやるとアラブ人が選ばれるなんてセリフがある。今やフランスではイスラムが悪者になっているのだ。その辺りはエマニュエルトッドの本にも詳しい。
あとはマルセイユで親しくなったシングルマザーの友人がビルに「トランプに投票したの?」と聞くセリフもある。労働者タイプが全部トランプを支持しているように捉えられているセリフだ。今回マットデイモンはアメリカの下層労働者階級に服装も雰囲気もなりきる。フランス人インテリは哲学好きで理屈っぽいけど、え!そんなこと聞くのかと思ってしまう。
⒉マルセイユの美しい風景
地中海の香りがするスパニッシュ屋根の建物が立ち並ぶ光景は美しい。建物が連なる先には崇高な寺院が見える。過去にも「キリマンジャロの雪」などのマルセイユを舞台にしている映画は観ているが、船着場などの映像が中心で、ここまで街の全容を俯瞰する映像は見たことがない。それだけにその美しさに驚く。
娘のアリソンが出所後の生活に慣れるために、1日だけ外出を許可されてビルと2人で郊外をドライブする。そこで映る海岸線の風景が美しい。調べてみると、国立公園内の映像のようだ。マルセイユ観光案内の映像だと思うと、外国旅行に行けないだけに得した気分になる。まあ、こういう映画の見方もあるだろう。ただ、その裏腹に治安はかなり悪そうな印象も持ってしまう。
⒊サッカー場の熱狂⚽️
マルセイユの地元サッカーチームを熱狂的ファンが応援するシーンがでてくる。マットデイモン演じるビルがサッカー好きのシングルマザーの娘を連れて超満員のスタジアムに行くのだ。応援席の異常とも見える応援には驚く。映画では、その大勢の観客の中で、犯人と思しき男を見つけるシーンがある。思わずドキッとする。直後から子連れで男の行方を追いかけていく。これはこれで緊迫感があるシーンだ。
この娘がマルセイユでプレーしていたサッカー日本代表である酒井のことを好きだとする場面があるというが、注意不足で確認できなかった。
ストーリーよりも、美しいマルセイユの映像や熱狂的なサッカーの応援の最中に犯人を追いかけるシーンの印象ばかりが観終わって脳裏に残る。途中は登場人物のそれぞれの性格の悪さに呆れてイヤになってしまう状況だったが、最終場面に入ってのハラハラドキドキの場面のおもしろさで少しは嫌な部分がとんでいく。
映画「スティルウォーター」はマット・デイモン主演の最新作、アカデミー賞作品賞を受賞した「スポットライト」や「扉を叩く人」のトムマッカーシー監督作品となれば観てみたくなり映画館に向かう。オクラホマの下層労働者という設定のマットデイモンのアメリカでの映像はあるが、主たる物語はフランスマルセイユで展開する。マルセイユの海岸の映像は信じられないくらい美しい。
アメリカの石油会社で掘削労働者の主人公がフランスマルセイユで殺人罪で逮捕された娘の無実を証明するため、わずかな証言をもとに現地で知り合ったシングルマザーとともに真犯人を捜す話である。謎解きの要素もある。ただ、登場人物の誰もが容認できるキャラクターではない。みんな変な奴らばかりであり、受ける感触は良くないので不快になってしまう。
米オクラホマ州の街スティルウォーターでもともと石油掘削の仕事をしていて今は解体業をしているビル(マット・デイモン)は、留学先のフランスマルセイユでレズビアンのガールフレンドを殺した殺人罪で捕まり懲役9年の判決を受け刑務所に収監されている娘アリソン(アビゲイル・ブレスリン)の真実を訴える手紙をもとに無実を証明しようとする。
現地で知り合ったシングルマザーにも協力を求める。言葉の壁もあり、はかどらないし、意見が対立してシングルマザーとケンカして決裂する。しかし、現地の不良の一味に捕まり暴行を受けたりした後で、再度シングルマザー母娘と交情を温めてマルセイユの生活に馴染んでいくのであるが。。。
⒈社会派的色彩
これまでのトム(トーマス)マッカーシー監督の映画はだいたい観てきたし、好感が持てる作品がほとんどだ。「扉を叩く人」では難民問題に言及し、「スポットライト」では教会聖職者の性的いたずらに焦点を合わせた。いずれもドキュメンタリーではなくフィクションだが、社会派の色彩が強い作品だ。
いくつかの写真の中に犯人がいてそれを指さす場面で、普通にやるとアラブ人が選ばれるなんてセリフがある。今やフランスではイスラムが悪者になっているのだ。その辺りはエマニュエルトッドの本にも詳しい。
あとはマルセイユで親しくなったシングルマザーの友人がビルに「トランプに投票したの?」と聞くセリフもある。労働者タイプが全部トランプを支持しているように捉えられているセリフだ。今回マットデイモンはアメリカの下層労働者階級に服装も雰囲気もなりきる。フランス人インテリは哲学好きで理屈っぽいけど、え!そんなこと聞くのかと思ってしまう。
⒉マルセイユの美しい風景
地中海の香りがするスパニッシュ屋根の建物が立ち並ぶ光景は美しい。建物が連なる先には崇高な寺院が見える。過去にも「キリマンジャロの雪」などのマルセイユを舞台にしている映画は観ているが、船着場などの映像が中心で、ここまで街の全容を俯瞰する映像は見たことがない。それだけにその美しさに驚く。
娘のアリソンが出所後の生活に慣れるために、1日だけ外出を許可されてビルと2人で郊外をドライブする。そこで映る海岸線の風景が美しい。調べてみると、国立公園内の映像のようだ。マルセイユ観光案内の映像だと思うと、外国旅行に行けないだけに得した気分になる。まあ、こういう映画の見方もあるだろう。ただ、その裏腹に治安はかなり悪そうな印象も持ってしまう。
⒊サッカー場の熱狂⚽️
マルセイユの地元サッカーチームを熱狂的ファンが応援するシーンがでてくる。マットデイモン演じるビルがサッカー好きのシングルマザーの娘を連れて超満員のスタジアムに行くのだ。応援席の異常とも見える応援には驚く。映画では、その大勢の観客の中で、犯人と思しき男を見つけるシーンがある。思わずドキッとする。直後から子連れで男の行方を追いかけていく。これはこれで緊迫感があるシーンだ。
この娘がマルセイユでプレーしていたサッカー日本代表である酒井のことを好きだとする場面があるというが、注意不足で確認できなかった。
ストーリーよりも、美しいマルセイユの映像や熱狂的なサッカーの応援の最中に犯人を追いかけるシーンの印象ばかりが観終わって脳裏に残る。途中は登場人物のそれぞれの性格の悪さに呆れてイヤになってしまう状況だったが、最終場面に入ってのハラハラドキドキの場面のおもしろさで少しは嫌な部分がとんでいく。