映画とライフデザイン

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映画「モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン」

2023-11-20 19:17:32 | 映画(洋画 2022年以降主演女性)
映画「モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン」を映画館で観てきました。


映画「モナリザ アンド・ザ・ブラッド・ムーン」は精神病院を脱走した少女がニューオリンズの街を彷徨うブラックコメディだ。「次世代のタランティーノ」との呼び声も高いアナ・リリ・アミリプール監督がメガホンをもつ。クレジットトップはケイトハドソンで名前に聞き覚えあったけど、思い出せない。映画を観終わって「あの頃ペニーレインで」のヒロインとわかりビックリした。一見して誰も気づかないだろう。ボリューム感たっぷりのストリッパー役だ。脱走する女性は韓国人俳優と聞いていた。気づかなかったけど、村上春樹原作の韓国映画「バーニング」のヒロイン、チョン・ジョンソだ。この2人の怪演が見どころである。

アメリカニューオリンズの満月の夜、統合失調症で12年精神病院の個室に隔離されているモナリザ(チョン・ジョンソ)が見廻りに来た女性職員に罵倒されてキレる。突如として超能力を発揮して、女性職員を痛めつけ、鍵を奪って脱走する。

街を彷徨うモナリザは、ダイナーで女性同士のケンカを見つけて、暴れていた一方の女性を持ち前の超能力で自爆させる。精神病院からモナリザが脱走した通報で警察は捜査体制に入っていた。ある警官が見つけて追うが、モナリザの超能力で警官が重傷を負う。一部始終を見ていたストリッパーのボニー(ケイトハドソン)にその超能力を見込まれて家に匿われる


いかにもアメリカらしいBC級映画の肌合いをもつブラックコメディでおもしろい。
催眠術を操るがごとくの超能力を駆使する映画はゴマンとありそうだ。ちょっと古いが「奥様は魔女」サマンサのような仕草で、相手に魔法をかけてあやつる。ただ、精神病院の隔離された病棟にいる患者にこんな能力を与えたことはないだろう。しかも、組むのはシングルマザーのストリッパーだ。悪知恵が働くストリッパーが息子とモナリザの2人を巻き添えにする。


宮沢りえ主演の「月」では重度障がい者施設が舞台になった。障がい者たちが施設職員に虐待されるシーンがある。ここでも、モナリザは病院の女性職員にバカ扱いされている。アメリカの施設も日本と似たようなものだと思っていると、キレたモナリザが軽く超能力をみせる。職員に人智を超えた力が働き、自らの手で刃物を自分の足に突き刺して大騒ぎだ。観ている自分は爽快な気分になる。

ただ、ストリッパーの女とBKのATMに行き、アカの他人にモナリザが魔術をかけて500$おろさせる。加えて、ストリップ小屋にいる男たちに魔術をかけて、操る。チップを出すつもりのない男たちに(人智を超えた力で)財布から金を出させる。そんな悪さにも活用する。これは良くない。いじめっ子にいじめられるストリッパーの息子を助けるのは善行でこれは観てスッキリする。そんな小さいエピソードが続いていく。そうやって、この先モナリザはどうなるんだろうと思わせる。


この映画には、屁理屈を唱える理屈っぽい登場人物はいない。どちらかと言うと、社会の下層部にいるような連中だ。妙にあっけらかんとしたニューオリンズに住む面々の動きは単純だ。実にわかりやすい。辛気臭い映画を観るよりはマシかもしれない。深く考えず、アメリカらしいブラックコメディを楽しみたい。最後はこれからどうなるんだろうと、興味しんしんになる。

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