映画「正欲」を映画館で観てきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/d3/8a8c66389e83402d48818a7456eb34a0.jpg)
映画「正欲」は朝井リョウの小説を岸善幸監督が映画化して,稲垣吾郎,新垣結衣,磯村勇斗等の出演者で描いた新作である。東京国際映画祭で監督賞を受賞している。何よりまず新垣結衣が出ているだけで飛びついてしまう。星野源に奪われたことで,若者たちはショックを相当受けた。その気持ちは我々も変わらない。
稲垣吾郎も前作の今泉力哉監督「窓辺にて」での超長回しの演技はなかなか格好がついていた。それにしても次から次に新作に出る磯村勇斗の人気ぶりには驚く。内容はよくわかっていない中,早速映画館に向かう。
いくつものストーリーが同時進行する。
寺井啓喜検事(稲垣吾郎)の息子は小学校がイヤになっていた。毎日YouTubeを見ながら同世代の女の子が不登校でも幸せになっているのを見て,自分もそれでも良いかと父親に言い出す。似たような学校嫌いの子供たちが集まるNPOに参加して,息子はそこで見つけた友人とYouTubeのチャンネルを登録して,動画を公開する。父親はよく思っていなかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/c9/393073216cc158939c2a5f78404d2cdc.jpg)
福山に住む桐生夏月(新垣結衣)はショッピングモールの寝具売り場で働いている。両親と暮らしているが,彼氏もいない。モヤモヤしている毎日の生活だ。妙に水フェチ的なところがあったのは,中学時代同級生だった佐々木(磯村隼人)と一緒に校庭の水飲み場の水を散水させた経験があったからだ。両親がなくなり,故郷に戻った佐々木と昔の同級生の結婚式で再会する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/49/537ce4d923a66c89be73b38c2b9ebc91.jpg)
学園祭実行委員としてダイバーシティフェスを企画した神戸八重子(東野絢香)は、ダンスサークルに出演を依頼する。そのダンスサークルに所属する諸橋大也(佐藤寛太)に八重子は好意を寄せる。諸橋は黙々とダンスに精を出し心を誰にも開かずにいる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/2b/a0317ab5cbf940dc5efd21b6450a394b.jpg)
同時並行のいくつものストーリーを収束させる。
現代日本のアップデートな話題を巧みに映画としてまとめ上げていると思う。想像していたよりも良かった。
朝井リョウの原作は未読。彼の小説の映画化では,「桐島部活やめるってよ」「何者」「少女は卒業しない」の3作を見た。いずれもまだ若い朝井リョウが自分の学校生活での経験をもとに創作した作品と思っていた。IT化してきた現代の暗部に接近して今までの作品よりも朝井リョウの世界が広がっている感じを受けた。今後も現代若者の実態に迫ることを期待したい。
小学生にして不登校の子供たち,YouTubeに傾倒する子供たち,児童への性的関心の強い異常者。いずれも近年話題になる出来事である。大きく分けて3つのストーリーを1つに収束させるこの物語の映画化は容易ではないと思う。岸善幸監督の手腕が光る。監督の「あゝ荒野」は前編後編に分かれる位の長さとなり,寺山修司の原作の影響もあるが,さっそうと駆け抜ける前半に比べて後半は若干ダレる。それを思うと、実際の映像に具現化してこの時間にまとめたのは上出来だと思う。岩代太郎の音楽の使い方もうまかった。
登場人物に水フェチの性癖がある面々を登場させる。新垣結衣も磯村勇斗も水が流れるのを見るのを好む。自閉症の幼児は,公園の立水栓から水をジャージャー流すのを異常に好むことが多い。身内にいたのでよくわかる。今回の登場人物も人付き合いを得意としない明らかに自閉症の症状である。
一般に自閉症を扱う映画では異常に目をそらしたりする人物を登場させている。重度な患者ではない健常者と変わらないごく普通に生きている人たちは大勢いる。ダスティン・ホフマン主演の「レインマン」等の重症の自閉症映画と一線を引くが,根本的にはこの映画も自閉症映画である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/10/80afda39c30ef91b88862e3d950bd8a6.jpg)
子供のYouTubeへの傾倒をここまで取り上げた映画は見た事がない。自ら作った動画に対する反応が不登校児童のよりどころになっている話である。中学受験が一部の生徒だけのものではなく、下手をすると低学年から塾通いをせざるをえない状況になっている。特に都市部の子供たちにとっては厄介な時代になってきた。ついていけない子供たちも多いだろう。,そのはけ口を何かに求めなければならない。YouTubeもその一つだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/b0/c03de65f11b19989e15ffceaa2bfcf49.jpg)
少子化時代なのに子どもたちは大変だ。もし今の時代に生まれていたら,どうなっていたのか?戦争の影響もなく育った自分たちは良い時代に育ったのかもしれない。
新垣結衣の復活はうれしい。結婚しても瑞々しいし、相変わらずかわいい。今回は今までの役柄よりも普通ではない水フェチの女の子だ。水の流れに体が疼く。ベッドの周りが水で満たされていく奇妙なシーンもある。疑似恋愛もどきなのは「逃げ恥」と似ている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/3b/cd6d13351d0492bbbdbdff71fae8e014.jpg)
稲垣吾郎は今回のジャニーズ事務所問題が起きるずいぶん前に離脱した。問題があるから早々逃げたのであろう。この映画では検事役で, 一番まともに見える人間の役である。着々と俳優としてのキャリアを築き上げている。磯村隼人は映画「月」で重度障がい者を虐殺する施設の従業員を演じて、演技の幅が広がった。ここでは,水フェチではあるが,前作ほど異常人物ではない。まだまだ活躍が期待される。
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映画「正欲」は朝井リョウの小説を岸善幸監督が映画化して,稲垣吾郎,新垣結衣,磯村勇斗等の出演者で描いた新作である。東京国際映画祭で監督賞を受賞している。何よりまず新垣結衣が出ているだけで飛びついてしまう。星野源に奪われたことで,若者たちはショックを相当受けた。その気持ちは我々も変わらない。
稲垣吾郎も前作の今泉力哉監督「窓辺にて」での超長回しの演技はなかなか格好がついていた。それにしても次から次に新作に出る磯村勇斗の人気ぶりには驚く。内容はよくわかっていない中,早速映画館に向かう。
いくつものストーリーが同時進行する。
寺井啓喜検事(稲垣吾郎)の息子は小学校がイヤになっていた。毎日YouTubeを見ながら同世代の女の子が不登校でも幸せになっているのを見て,自分もそれでも良いかと父親に言い出す。似たような学校嫌いの子供たちが集まるNPOに参加して,息子はそこで見つけた友人とYouTubeのチャンネルを登録して,動画を公開する。父親はよく思っていなかった。
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福山に住む桐生夏月(新垣結衣)はショッピングモールの寝具売り場で働いている。両親と暮らしているが,彼氏もいない。モヤモヤしている毎日の生活だ。妙に水フェチ的なところがあったのは,中学時代同級生だった佐々木(磯村隼人)と一緒に校庭の水飲み場の水を散水させた経験があったからだ。両親がなくなり,故郷に戻った佐々木と昔の同級生の結婚式で再会する。
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学園祭実行委員としてダイバーシティフェスを企画した神戸八重子(東野絢香)は、ダンスサークルに出演を依頼する。そのダンスサークルに所属する諸橋大也(佐藤寛太)に八重子は好意を寄せる。諸橋は黙々とダンスに精を出し心を誰にも開かずにいる。
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同時並行のいくつものストーリーを収束させる。
現代日本のアップデートな話題を巧みに映画としてまとめ上げていると思う。想像していたよりも良かった。
朝井リョウの原作は未読。彼の小説の映画化では,「桐島部活やめるってよ」「何者」「少女は卒業しない」の3作を見た。いずれもまだ若い朝井リョウが自分の学校生活での経験をもとに創作した作品と思っていた。IT化してきた現代の暗部に接近して今までの作品よりも朝井リョウの世界が広がっている感じを受けた。今後も現代若者の実態に迫ることを期待したい。
小学生にして不登校の子供たち,YouTubeに傾倒する子供たち,児童への性的関心の強い異常者。いずれも近年話題になる出来事である。大きく分けて3つのストーリーを1つに収束させるこの物語の映画化は容易ではないと思う。岸善幸監督の手腕が光る。監督の「あゝ荒野」は前編後編に分かれる位の長さとなり,寺山修司の原作の影響もあるが,さっそうと駆け抜ける前半に比べて後半は若干ダレる。それを思うと、実際の映像に具現化してこの時間にまとめたのは上出来だと思う。岩代太郎の音楽の使い方もうまかった。
登場人物に水フェチの性癖がある面々を登場させる。新垣結衣も磯村勇斗も水が流れるのを見るのを好む。自閉症の幼児は,公園の立水栓から水をジャージャー流すのを異常に好むことが多い。身内にいたのでよくわかる。今回の登場人物も人付き合いを得意としない明らかに自閉症の症状である。
一般に自閉症を扱う映画では異常に目をそらしたりする人物を登場させている。重度な患者ではない健常者と変わらないごく普通に生きている人たちは大勢いる。ダスティン・ホフマン主演の「レインマン」等の重症の自閉症映画と一線を引くが,根本的にはこの映画も自閉症映画である。
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子供のYouTubeへの傾倒をここまで取り上げた映画は見た事がない。自ら作った動画に対する反応が不登校児童のよりどころになっている話である。中学受験が一部の生徒だけのものではなく、下手をすると低学年から塾通いをせざるをえない状況になっている。特に都市部の子供たちにとっては厄介な時代になってきた。ついていけない子供たちも多いだろう。,そのはけ口を何かに求めなければならない。YouTubeもその一つだろう。
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少子化時代なのに子どもたちは大変だ。もし今の時代に生まれていたら,どうなっていたのか?戦争の影響もなく育った自分たちは良い時代に育ったのかもしれない。
新垣結衣の復活はうれしい。結婚しても瑞々しいし、相変わらずかわいい。今回は今までの役柄よりも普通ではない水フェチの女の子だ。水の流れに体が疼く。ベッドの周りが水で満たされていく奇妙なシーンもある。疑似恋愛もどきなのは「逃げ恥」と似ている。
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稲垣吾郎は今回のジャニーズ事務所問題が起きるずいぶん前に離脱した。問題があるから早々逃げたのであろう。この映画では検事役で, 一番まともに見える人間の役である。着々と俳優としてのキャリアを築き上げている。磯村隼人は映画「月」で重度障がい者を虐殺する施設の従業員を演じて、演技の幅が広がった。ここでは,水フェチではあるが,前作ほど異常人物ではない。まだまだ活躍が期待される。