後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

額賀さん頑張れ!

2007年11月17日 | 社会・経済

越前蕎麦を食べに行く車の中で額賀さんの話になった。政治家と付き合いはないが数年前、額賀さんが無役で暇のころある団体旅行で北京とインドネシアへ行った。額賀さんの講演はアジアと日本の将来のかかわり方を思慮深く丁寧に自分の頭で考え見事なまでに体系化された構想である。あまりにも感動したので講演後少し話をした。実に気さくで初対面の小生の目をしっかりと見ながら「構想が立派でも政治の現場はなかなか難しいものですよ」と言っていた。越前蕎麦までの車の中でこの話をしたら隣のI氏も目を輝かせて「そうです。彼は人間として素晴らしい。お酒を一緒したら何度も丁寧に注いでくれた。決して威張らないで庶民とまったく同じ感じで相手の話を聞いてくれる。あんな政治家には会ったことが無い」と絶賛する。茨城出身の田舎風な容貌で女性には人気が無い。しかし家内は美男子ではないが人間の品性は良いのがよく分かる顔だと褒める。

今回は山田洋行との関連で大変なようだが額賀さん、頑張って下さい!


外国体験のいろいろ(6)

2007年11月17日 | 旅行記

     ◎没後50年・安井曽太郎展

水戸市の千波湖のほとり、県立近代美術館で2005年の7月に安井曽太郎氏の油彩109点、水彩・素描35点が年代順に展示されている。浅井忠に師事していたころの少年期の作品、フランスでセザンヌの影響を受けていたころの滞欧期の作品、帰国後の東洋と西洋のはざまで苦しんだころの作品、そして曽太郎流画風の確立した後の傑作の数々が順序よく、ゆったりしたスペースに展示されている。

全国の美術館や個人所有の油彩を109点も借り出して、曽太郎氏の芸術遍歴を浮き彫りにした今回の企画展覧会は見る人にいろいろなことを考えさせる。

どの時期の作品でも、とにかく抜群に上手である。と言うと、一緒に行った家内が「上手なのは当たり前です。そんな誉め方をするのは芸術家に対して失礼です」と怒る。しかし、浅井忠に師事して描いた油彩を見た曽太郎氏の家族や友人は「上手だ、すごく上手だ。一流の画家になれる」と誉めたに違いない。本人もその気になって18歳の時パリへ渡る。

後期印象派、特にセザンヌの直接的な影響を受け、澄んだ青を基調にしたいかにもセザンヌ風の裸婦、フランスの風景、静物などを精力的に描く。特に裸婦のデッサン力、深みのある陰影はとても東洋人の絵画とは見えない。セザンヌの作品といえばそう信じられる。

ところが、帰国後数年間の画風は混乱に続く混乱である。パリで学んだ絵画精神で日本の風景、日本の裸婦、日本の静物を描こうとすればするほどバランスの取れない絵画になってしまう。私はこの混乱期の、例えば京都近郊の多くの風景画や裸婦群像などは好きにはなれない。こんな書き方は天才・曽太郎氏に対して失礼ではないかと誤解を受けるかも知れない。

       @独自の画風の確立

しかし、すべての作品が好きだと言ったら、ひいきの引き倒しになる。あまり天才だ、天才だと騒げば、天国にいるご本人は苦笑するに違いない。

独自の画風を確立するまでの帰国後数年間の模索と深い思索こそが、曽太郎芸術の偉大さを生んだ。西洋の絵具、画材を使い西洋風の色合いで日本画の構図や線描を交えて和洋折衷の絵画を作ることは可能である。日本の風景、日本人モデルを用いてセザンヌ風に描くことも可能である。しかし安井氏はそんな浅薄なことはしない。浅薄な作品ではないが、絵全体として何か緊張感が弱い。

東洋と西洋の文化の両方を受容して独自の境地を作り上げることに成功した画家はそんなに多くはない。ところが、昭和初期の少女像、玉虫先生像、気位の高い和服の婦人像のころから、いわゆる曽太郎流画風が確立されて行く。セザンヌからの卒業、日本画ではないオリエンタルな精神性を背景にした表現は独創的な画風を生んだ。

昭和9年の「金蓉」と題した中華風の婦人像が最高の傑作と言われ、郵便切手にも使用された。横長の大きなキャンバに描いた外房風景。強風の沖を左から右へ流れるように白波が動いている。漁村の歪んだ家々が漁師一家の必死の生を暗示している。風景が美しいだけではない。漁師の人生を描いている。(終わり)


伊豆の岩漿文学会、木内光夫さんのこと、

2007年11月17日 | 本と雑誌

昨日以下のようなコメントを伊豆の岩漿文学会代表の木内光夫氏から頂きました。うれしい激励です。それで考えたのですが、ブログを始めたばかりの方々の幾人かはアクセス数の少ないことでブログの続行を考え直しているかも知れません。そのな方々のためにご参考になると思いコピーしました。

木内光夫(筆名、馬場駿)さんからのコメント

久しぶりに本格的な文章に接したような気がします。考えさせられる、という点でも貴重なブログになると思います。ありがとうございます。
 最初は、コメントが少ないと思いますが、それは仕方ないことですし、「コメントが無い=読まれていない」というわけでもありません。私のHPも最初はアクセス数がなかなか伸びず、悲観したものです。
 却ってご迷惑かもしれませんが、私のHPからもこのブログに入れるよう、リンクを貼らせていただきました。箱根から帰宅するたびに、覗かせていただくつもりです。