@船外機にするか船内エンジンにするか?
進水後10年以上の50万円から100万円の中古船を買うときの決定的な判断基準はエンジンが船外機なのか船内に付いているかの点である。長さ24フィート以下の小さいヨットでは船外機、25フィート以上の船には船内機のものが多い。
持ち主に中古艇を見せてもらったら、まずこれを確かめる。船外機は文字通りエンジンが後尾の船外に付けてあるので船底に一切の穴が開いていない(水洗トイレが有る場合は2個の穴があいているが)。船底に穴が無ければ浸水のトラブルが皆無で船内は一年中カラカラと乾いている。小生がはじめて買った中古艇はヤマハ19(フィート)で船外機。浸水や雨水漏れのトラブルはその後10年間一度も無かった。
@帆が3種類ついているか?
船外機方式の場合はマストがしっかり立っているか?前後左右のステイ類(ワイヤー類)にたるみがないか?メインセイルとジブセイルは汚れていたり修理の縫い目がないか?などを見れば良い。一般にセイリングに必要なマストやセイルは持ち主が神経を使うものなのであまり問題が無い。セイルで忘れてはいけないのが第三番目の帆であるスピネーカー帆である。これは無くとも普通の帆走が出来るので中古艇には付いていない場合がある。しかしこの帆とそれを上げるスピンポールが付いていることをしっかり確認するほうが良い。購入後しばらくして一応2枚の帆で走れるようになると必ずスピンを上げたくなる。追い風でスピンを巨大な風船のように膨らませて快走している他のヨットを見ると自分もそれをしたくなるのが人情。初心者でも風さえ弱ければスピンは上げられるものである。したがってスピネーカー、スピンポール、スピン用の長いロープ(スピンシート)が付いているか否かを確認するのが重要で有ろう。
@エンジンのトラブル
船外機は大体5馬力から10馬力の小出力ものが付いている。エンジンカバーをあけると2気筒のガソリンエンジンが多い。構造は素人でも修理出来るように部品の取り外しも簡単に出来る。スタート用のモーターがついていないので紐をいきよいよく引いて始動させる。この方式はバッテーリーが必要でなく電気系統の故障が無い利点がある。10年間で点火栓を10回位新品と交換しただけである。それと前進、中立、後進はギヤーで入れ替えるが、ギヤー棒が短くて入り難かった。これはギヤー棒に20Cmくらいの鉄棒を紐で固定して解決した。ガソリンは20対1の混合油を使用するが、これはガソリンと2サイクル用のエンジンオイルを買ってきて自分で混ぜて使用する。エンジンの保守に必要なものが全部そろっているか?点火栓交換用の工具が有るか?過去のエンジントラブルの内容などを持ち主へよく聞くことが重要であろう。
船外機エンジン方式の良い点は船底からの浸水が無くエンジンの故障も少なく中古艇でも保守管理に苦労しないことである。しかし船内機の場合は保守に苦労が多い。しかしそれ以上の楽しさが有るのでどちらにするかは次回の続きをお読みの上ご判断頂きたい。(続く)