後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

中古スポーツカーか中古クルーザーヨットか??

2007年11月26日 | うんちく・小ネタ

50歳になると大抵子供は独立する。ローンながら小さな家もある。定年までの給料も見えるようになる。親の介護はまだ10年くらい心配無い。人生でホット息のつける人も多い時期ではないであろうか?あくせく働いいて趣味を楽しむ余裕も無かった。

そこで中古のクルーザーヨットを買った。その趣味の大変さは別項の「中古クルーザーヨットの買い方」シリーズで掲載中である。読者のご推察を期待する。

男なら一度はスポーツカーの幌を開けて初夏の薫風かおる草原、紅葉に染まる山道を走ってみたい。マツダの中古専門店へ行くと一世を風靡したロードスター2000CCが50万円から90万円で売っている。中古ヨットは「中古クルーザーヨットの買い方」シリーズで書いたように60万円から150万円、あるいは200万円である。スポーツカーのほうが半分くらいで買える。しかし修理や保守費用は故障の少ないヨットが安い。スポーツカーは車検や税金、強制賠償保険、ガソリン代など考えると年間100万円近くなる。しかし3年間楽しむとするとどちらも200万円くらいですむ。人生一度は両方の体験をして見たいと思う。

この2つの趣味の決定的な違いは費用の差異ではない。スポーツカーは年寄りにはサスペンションが硬すぎて腰が痛くなる。タイヤを軟らかいのに交換したり、椅子にクッションを敷いても少し長距離をはしると体中がガタガタになる。やはり40歳前の柔軟な体でないと無理だ。4年間楽しんだがあまりにも体にこたえるので売ってしまった。

クルーザーヨットは年齢によって色々な楽しみ方が出来る。若ければギンギンに走るレース専門の楽しみ。少し年をとればゆっくり巡航する楽しみ。さらに老年になればヨットのキャビンでパーテイーをしたり泊まったりして男の隠れ家的にして楽しむ。要するに飽きない。

少し大きなクルーザーへ買い換える時は古いヨットは売らない。大切にしてくれる人に寄付したい。

小生はいつもお世話になるあるマリーナのヨット好きのスタッフへ寄付した。いまでも時々以前の愛艇に水上で会えるのが嬉しい。若い時でないと楽しめない趣味と老人でも楽しめる趣味の違いを60歳にして実感できた。(終わり)


「世界に羽ばたけ!若人よ」

2007年11月26日 | 本と雑誌

成山堂書店のこの本の著者は増渕興一さんである。増渕さんは東京帝国大学(旧制)では海軍委託学生として横須賀工廠で働き、コロンバスのバテルメモリアル研究所を経てMITの教授、名誉教授になられました。その間、NASAの宇宙ロケットや宇宙船のアルミ材料の溶接の研究をされ米国社会では著名な研究者です。その間増渕さんがアメリカ社会で独自の道を切り開いていったときの体験が生き生きと描写されています。

増渕さんの専門分野でのご活躍のことを知らずにご夫妻にお世話になった我々にとってはこんなに偉い人だとは知りませんでした。1960年のオハイオ州立大学に留学したとき、コロンバス市で他の日本人とともに何度もご自宅へおしかけ奥様にも大変お世話になりました。当時はコロンバスのバテルメモリアル研究所で研究をされていました。日本人の面倒もよく見てくださる柔和な紳士でありました。当時お世話になった日本人が1960年コロンバスの会をつくり、毎年増渕さんがご帰国になるたびにご夫妻を主賓として昼食会を開く。増渕さんは当時は不可能とされていたアルミ合金の溶接を独創的な発想で研究されていた。「新しい研究をしていればアメリカでは必ず大切にされる」というお話を聞き発奮したことが忘れられません。

奥様も優秀で数学の教師をしていらっしゃり、小生が婚約者をよんでコロンバスで結婚し子供が生まれたときには大変お世話になりました。草月流の師範でもありボストンで指導をしたり、日本人会のお世話などされています。この本の内容は実に手に汗を握るような活躍記であり、是非若い日本人に読んで貰いたい内容である。Yahoo検索へ「世界に羽ばたけ!若人よ」と入れて検索すると2100円のこの本を自宅近所のコンビニへ取り寄せて簡単に購入する方法がある。

今年の11月初旬に増渕さんご夫妻を主賓にしてコロンバス関係者の昼食会が新大丸のたん熊でありました。この本が以外に広く読まれていて反響が大きいことなどのお話がありました。増渕さんご夫妻への感謝をこめてこの本に関してご参考になればと思いブログへ投稿いたします。是非皆様もお読みください。(終わり)


八ヶ岳、乗り鞍、南アルプス近辺の紅葉の写真、写真

2007年11月26日 | 写真

昨日、鬼家雅雄さんの山荘を訪ねご了解を頂いたので鬼家さんの「自然のなかで」http://kuhmso.web.infoseek.co.jp/ に掲載されている今年の紅葉の写真をご紹介します。

このURLをクリックして「鬼家旅行フアイル」を開けると10月下旬から現在にいたるまでの八ヶ岳、乗鞍岳、南アルプスの回りの山々の紅葉の数多くの写真が掲載されています。

鬼家さんの写真の良いところは本人が実際に歩き回って紅葉の綺麗な木々や林を探し出して写真をとるので、紅葉が鮮明でない今年でも十二分に楽しめることでしょう。また道順や駐車場の状況を親切に報告してあるので気軽に車で行けるような気がします。

鬼家さんの写真はレベルが高いせいかアクセス数が常に多く、Yahoo検索でもトップから20番目以内に入っている写真も多く、そのリストのページもありますのでお楽しみ下さい。

一面に落ち葉の散りしいた雑木林をしずかに歩きながら鬼家さんの山荘を訪ねるのも30年になります。彼の静かな物言いは昔から変わらず、訪ねるたび「心の豊かな人だな!」と感心します。そんなお人柄が写真に反映していると思いますが、、、、


中古クルーザーヨットの買い方(3)続き

2007年11月26日 | うんちく・小ネタ

                @舟と船の違い

船外機のクルーザーと船内にジーゼルエンジンの付いているのとは使ってみると舟と船くらい違う。前者がボートなら後者は小型船舶のような感じである。楽しさの深みが違う。しかしそれだけにトラブルが多く、保守管理には苦労する。

今回は船内機クル-ザーの見分け方を書く。中古艇のトラブルは水漏れ、中古エンジンの始動不良、バッテーリー上がり、水洗トイレの水漏れ、速度計の不調、自動操舵装置の故障、古いシブやメインセールの破損、などなどいくらでも有る。しかしそれらを自分でコツコツ修理して行くのも大きな楽しみになる。自分で修理をして行くとクルーザーヨットの設計の見事さや簡素ながら頼りになる金具類や部品の素晴らしさに感心する。スペインやポルトガルによる大航海時代からの人間の知恵の粋が凝縮しているようで心豊かな思いがする。

                  @水漏れが有無を丁寧に見よう!

船底からの水漏れと上からの雨漏りが有るか丁寧に見よう。エンジンルームの底や奥を懐中電灯で丁寧に見る。スクリュー軸のまわりから水が漏れ摩擦熱で軸とパッキングの温度が上がらないようにしてあるので必ず多少の水漏れはある。しかしエンジンルームの底がビシャビシャ濡れているのは要注意。すこし濡れて居るくらいが良い。あるいはカラカラに乾いているのが一番安心である。持ち主にスクリュー軸のパッキングを年間で何回くらい締めるとカラカラに乾くのか丁寧に聞き、パッキングの締め方と特別な工具を教わるのが重要である。

小生もスクリュー軸のパッキングを適度に締めてエンジンルームがいつもカラカラに乾くようにするコツを覚えた。ところが、4、5年後、ヨットへ行くたびにエンジンルームに溢れるばかりに水が溜まっている。これが雨漏りと分かるまで随分と苦労した。近くのマリーナの懇意にしている専門家に見れもらいやっと雨漏りと分かった。雨漏りは窓の割れ目、船体の接合部分の老化など。その原因を根気良く探すのに6ケ月もかかった。中古艇を買う場合はエンジンルームだけで無くすべての床板と椅子用のクッションを取り外して過去の水漏れの痕跡を探す必要がある。持ち主と良い関係を作れれば過去の水漏れのことを教えてもらえる。

                 @船内機ジーゼルエンジンを丁寧に見よう!

5馬力から10馬力の小さなエンジンながら沖で故障すれば生命の危険につながる。始動しにくい中古エンジンは弁類が磨耗していて圧縮が上がらずかかりにくい。バッテーリーを新品にしてもすぐにバッテーリーが駄目になる。バッテリーはアメリカ製のマリーンバッテーリーが付いているとメンテナンス不要で良い。クルーザーの持ち主がヨットレースにばかり出るタイプの場合がレース用のセイルを何枚もそろえるがエンジンには無関心の人が多いらしく意外にエンジンルームがメチャクチャの状態のものをあると聞く。レース用のセイルが何枚もある中古艇ではエンジン関係を丁寧に見よう!

                   @セイル3枚は上げて見よう!

港に係留した状態でも風が弱ければセイルは上げられる。メインとジブの金具類やロープ類の破損をチェックするためにも持ち主に上げて貰おう!最後にスピンも上げて貰う。風が強すぎて上げられない場合はセイル3枚の古さの程度や必要な金具類やロープ類のことを丁寧に教わる。もちろん一緒にセイリングしてもらえれば一番良い。

                   @船底とキールの状態は?

船をクレーンで吊って船底の貝類の付着状態や鉄製のキールの付け根などの腐食の状態を見る。しかし100万円以下の中古艇の場合は持ち主がそこまで親切に付き合ってくれない。船底の様子は喫水線のあたりを観察して想像する。淡水で使用してきた艇なら貝類の付着は心配する必要が無い。

進水後10年以上のものでは船体のFRP(繊維強化プラスチック)が水で含んで厚くなり重くなり船のバランスが崩れているのもあると聞く。これは素人には分からない。近くのマリーナの専門家に判定して貰う。

                @自動操舵装置、計器類、航海灯の故障

中古艇では自動操舵装置のジャイロが駄目になっていたり速度計がおかしくなっていることが多い。また船舶検査で要求されている停泊灯、前灯、機走用のマスト灯、後尾灯火が故障している場合がる。新品と取り替える必要があるのでその費用を見込まなければならない。

自動操舵装置は独りでヨットを楽しむ場合には絶対的に必要で、新品は6万円くらい。それとマストの天辺についている停泊灯は高かすぎて自分では交換できないので専門家に頼むことになるので費用がかかる。その他は自分で交換できる。

その他水洗トイレ、炊事用コンロや流し、清水タンク、室内灯などについては致命的なトラブルにはつながらないが持ち主に聞いておくと後々の修理のとき役に立つ。(終わり)


外国体験のいろいろ(13)

2007年11月26日 | 旅行記

   ◎アメリカの結婚祝い

NHKの外国の旅番組には必ずというように華麗な民族衣装の結婚式や盛大な宴会の様子が紹介される。そんなにタイミングよく結婚式があるのだろうか?

1961年、オハイオ州コロンバス市で婚約者を日本から呼んで結婚式を挙げた。結婚式と披露宴の準備は、留学先のオハイオ州立大の教授と大学院生の奥さんたちが手づくりでしてくれた。招待状はきれいな花模様のカードに手書きする。式は大学内の教会を同級生が予約してくれ、年上の同級生が代父・代母になり、牧師の司式で行う。

披露宴はその地域で一番大きなヒルトンホテルでシャンペンとカナッペで祝う。大きなウエデイングケーキを全員で分けて食べながら、一時間ぐらいで終わる。日本の披露宴のように、仲人の挨拶や来賓の長い「演説」は一切ない。一般にアメリカのパーテーにはヤボな乾杯も迷惑なスピーチもない。三々五々お喋りしながら、飲んだり食べたりして散会する。それと同じである。

指導教授の奥さんが地元紙へ連絡してくれたおかげで、式前の準備やわれわれの様子が大きな写真三枚とともに新聞に掲載された。結婚祝いは、式の前に「結婚祝いのシャワー」と称して女性だけが家内をコーヒーと手作りのケーキの会へ呼んで、結婚したらすぐに使う鍋、食器、日用品を祝いのカードとともに手渡す。次の年に子供が生まれた時も、「出産祝いのシャワー」をしてくれ、かわいい服やタオル、毛布などをプレゼントされた。

子供用のベッドやバギーも貸してくれる。使用後は子供の生まれた他の夫婦へ回す。お返しのお礼などをしてはいけない。夫婦共働きで忙しいのに惜しみなく労力を提供してくれるアメリカでは、開拓時代からお金のない移住者が結婚・出産する時は皆で助け合うのが伝統なのだと言う。われわれをアメリカへの移住者と思ってくれていた。

          @手づくりの伝統

このようにすべてを手づくりでやるのがアメリカ流の理想的な生き方である。結婚や出産も例外ではない。結婚後、古い車で少し遠方の鍾乳洞を見に行った。人家の見えない草原で車が動かなくなる。長時間途方に暮れていた時、子供連れの夫婦が通りかかった。何も言わないでニッコリし、目顔で「分かった。修理屋のある町まで引っ張って行く」と合図して遠方の町までけん引してくれた。家内がお礼にと少しの現金を紙に包み渡そうとするが受け取らない。あとで子供向きのお菓子を郵送したらサンキューカードが来た。

日本でも結婚は楽しいことであり、家族、友人も心から祝福してくれる。しかしそのやり方は違う。式は親族だけで行うので神式、仏式どちらでもアメリカの教会での結婚式と同じ雰囲気である。しかし、日本では現金を包んで披露宴に持って行く。仲人が長々と新郎新婦を紹介し、多数の来賓がスピーチする。お色直しと称して一緒に居てもらいたい新郎新婦が出たり入ったりして落ち着かない。帰りには引出物を渡される。

クオリティー・オブ・ライフ(人生の豊かさの質)の考え方は人さまざまで一つの定義は存在しない。結婚祝いの仕方が日米の違いを説明してくれている。可能ならすべて手づくりで―これがアメリカ流。日本では「借金してでもお金を気前よく使いましょう」ということになる。どちらもどこか不十分であるような気がする。しかし、どちらも正しいような気もする。(終わり)