一昨日、「現実的な平和主義者の憲法改正の主張と、弥生時代の防戦準備」と題する記事をSNSの趣味人倶楽部とブログとFace Bookに掲載致しました。趣味人倶楽部では483件のアクセス数があり45件程のコメント を頂きました。 ブログの方の閲覧数は1315人でした。他にFace Bookの方では105人の方から「いいね」を頂き、5人の方からコメントを頂きました。
憲法改正問題は生々しい問題で現在インターネットの世界では感情的な意見もあります。
そこで今日はこの現実的な問題から少し距離を置き、遠方のほうから日本という島国で何が起きているか考えてみたいと思います。
その時、役に立ちそうなのは諦観の境地と思います。仮に諦観の境地からこの問題を眺めてみると日本の現状や将来が少し見通うせると思います。
なお諦観の境地とはあまり些細なことに拘らず悟りあきらめることでです。社会と距離を置き、超然とした態度をとる境地です。
このような視点から趣味人倶楽部で頂いた45件のコメントとFace Bookで頂いた5件のコメントに対する総括をしたいと存じます。
この総括は下のような3つの部分から成っています。
(1)合計50件程のコメントに対する全般的な感想、
(2)憲法改正に反対の理由
(3)憲法改正に賛成の理由
それではそれぞれについて私の考えを述べていきたいと思います。
(1)合計50件程のコメントに対する全般的な感想、
頂きました合計50件程のコメントを丁寧に読んで感動しました。皆さんが本当にこの国の将来を真剣に考えていることに感心しました。もっと言えば溢れるような善い愛国心が行間に感じられたのです。
コメントを下さった方々はお互いに質問をし合い、議論を深め、相互理解をしようとしている態度に心が打たれました。相手の考え方に納得はしますが憲法改正に対する自分の意見は変えていません。相互理解こそ議論の建設的成果ではないでしょうか?素晴らしいことです。
勿論、すべてのコメントが礼儀正しく、建設的であったと言えばいささか嘘になります。相手のコメントの内容を理解しないで頓珍漢な返事を返した例もありました。相手に失礼な物言いをした人もいました。しかし全般的に見て、それは少数と感じました。
もう一つ私が感じたことを書きます。
この憲法改正問題で意見の対立が生じ、国民が分裂することを危惧していました。しかし頂いた50件ほどのコメントを読むと感情的な対立がほとんど感じられなかったのです。
日本の平和を守るという点では憲法改正反対者も賛成者も同じだったのです。その方法論が相違しているだけなのです。この私の危惧はイングランドからスコットランドの独立運動の影響から来ていました。しかし日本とイギリスの事情はまったく違うことに気がつきました。安心しました。
以上がコメントに対する全般的な感想です。それでは2番目の問題に移ります。
(2)憲法改正に反対の理由
反対している理由は、1、戦前のような社会へ戻る恐れ、と2、憲法を変えなくても日本の平和が維持出来るという2つの理由が主なものでした。
1、戦前のような社会へ戻る恐れ、
かつての第二次大戦で経験した悲惨さがあまりにも大きかったのです。多くの日本人、特に高齢の人々は戦前の社会のように戻る可能性のある改正には本能的に反対します。感情的に反対します。
憲法を改正しても逆戻りはしないと静かに理性的に説明しても絶対に反対します。このような感情を持っている人を非難しては間違いです。幸せな国とは感情的にも心地良い国でなければいけません。このような人々も暖かく包み込むような国にすべきです。
2、憲法を変えなくても日本の平和が維持出来る、
戦後71年間日本はこの憲法で平和だったのです。ですから将来も賢い外交を展開すれば別に憲法を変えなくても平和は守れる筈です。
アメリカの駐留費は増加すべきかも判りません。アメリカ軍の駐留を長期間に少しずつ減らして日本が独自に安全を守れるように努力すべきでしょう。
しかし現在の憲法は世界に誇れる高邁な憲法です。その上、憲法を改正するとどうしても明治憲法のような精神が少し混じってきて個人の人権や尊厳が尊重されなくなる恐れがあるのです。
この他にも憲法改正に反対の理由はいろいろあるでしょうが、次に改正賛成の理由を見てみましょう。
(3)憲法改正に賛成の理由
下のように個条書きにすることは厳密性に欠けますが、一応、列挙します。
1、現在の自衛隊は国際的に言っても軍隊であります。武力放棄を謳っている現憲法との矛盾があまりにも大きいので憲法を実情に合うように改正すべきです。
2、軍事同盟を結んでいるアメリカと対等に協力するためにはそれを法的に可能にするため憲法を改正すべきです。
3、核兵器開発などの急激な軍備拡張をしている中国や北朝鮮に対抗するためにも、日本は侵入軍を打ち破る気概を示す必要がある。そのような時代になってきたのだから、それに合致した憲法に変えるべきです。
4、世界的に見て自衛のための交戦権まで放棄している独立国がありません。ですから憲法を変えて、日本が自衛のための交戦権を持った独立国になるべきでしょう。
上の4つの理由の他にも理由はいろいろあるでしょう。
しかし今日はこの位にしておきます。
さて表題の、「憲法改正問題を諦観の境地から想う」とはどのような意味でしょうか?
この表題で私が強調したいことは二つです。
まず第一に憲法改正問題に関して絶体に感情的にならないで下さい。その為には可能な限り諦観の境地に近づいて考察を深めることが重要です。
そして第二の主張したいことは憲法改正の問題で国民が分裂しないように努力することです。最終的に憲法が改正されても、改正されなくてもそれは運命だと諦観することが重要です。
意見の対立を超越して悟りの境地から人類に平和が来るように努力したいものです。真の平和が来るように努力したいですね。
今日の挿し絵代わりの写真は湘南の平和な風景写真です。先月、自分で撮った写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)