日本のマスコミを見ているとトランプ氏を非難するような記事が多いようです。
それにもかかわらず、トランプ氏は共和党の次期大統領候補に指名されてしまったのです。
従ってアメリカではトランプ氏が好きで支持する人が多いと言っても大きな間違いが無いと考えられます。
日本人には嫌われ、アメリカ人には好かれているのです。
その原因はオバマ政権による軟弱な外交でアメリカの国際的評価が下がったことと、国内的にはメキシコからの大量な不法越境が原因になっているという解説がをよく聞きます。そしてトランプ氏は強いアメリカを再び作ると言うのです。
この解説も本当でしょうが、今日はアメリカと日本の文化的相違から、この問題を少し考えてみたいと存じます。
結論を先に書けばアメリカ文化ではトランプ氏は称賛に価いする人物であり、一方、日本人は彼に人徳が無いので大統領には適任ではないと評価されているのでないでしょうか?
彼に比べて広島まで来てくれたオバマ大統領のほうがまだ人間的に優れていると日本人は考えているのかも知れません。
さて日本とアメリカの文化の相違と言えば、文化の基底をなす宗教に対する考え方の違いを考えるのが手っ取り早いようです。
その比較をしようと先日来、いろいろ調べていたら次の資料を見つけました。
明治大学、鈴木研究室の「国際日本データランキング」
(http://dataranking.com/table.cgi?LG=j&TP=ofthosewhobelieveinGod(6choices)&CO=Italy&RG=2&TM=2008 )
この資料は非常に面白いデータを提供しています。大げさに言うと現在の世界の比較文化人類学の基礎資料になるような情報が詰まっているのです。
この資料の中から宗教に関するランキングを2種類だけ選んで以下にご紹介いたします。
(1)神の存在を信じる人の割合(すべての人に対して、神は存在しているという人の割合)
2008年の調査:北欧と主要先進国12国のみの比較
1 アメリカ合衆国 78.3%
2 イタリア 69.6%
3 イギリス 47.2%
4 フィンランド 46.3%
5 オーストラリア 43.5%
6 韓国 39.4%
7 ドイツ 38.4%
8 フランス 37.3%
9 ノルウェー 37.0%
10 デンマーク 33.6%
11 スウェーデン 24.9%
12 日本 16.4%
(2)宗教は心の安らぎや幸福感を得るのに役立つという人の割合
2008年の調査結果:北欧と主要先進国12国のみの比較
1 アメリカ合衆国 87.3%
2 韓国 80.3%
3 デンマーク 79.3%
4 イタリア 78.8%
5 スウェーデン 75.5%
6 イギリス 74.5%
7 オーストラリア 73.7%
8 ドイツ 72.0%
9 ノルウェー 71.1%
10 フランス 66.8%
11 フィンランド 61.7%
12 日本 61.6%
以上の他に、鈴木研究室のHPには、20ほどの宗教に関する質問に対するランキングが掲載されていますが、ここでは省略します。
兎に角、アメリカではキリスト教を信仰し、そのお陰で心の安らぎや幸福感を得ていると考える人が多いのです。
これに対して日本では神の存在を信じている人は12ケ国で最下位で16.4%しか居ません。
その神とは日本では神道の神様のことでしょう。その日本で、神の存在を信じている人の過半数は、宗教は心の安らぎや幸福感を得るのに役立つと思っているのです。
話は脇道にそれましたが本題に戻します。キリスト教国のアメリカではトランプ氏が何故支持されるかという問題に戻します。
まずアメリカでは政治家に人徳は日本ほど求めないのです。それには深い理由があります。
簡単に言えば人徳があるか否かは神が判断することなのです。人間が人間を評価してはいけません。キリスト教には人を裁くなという教えがあります。
トランプ氏が敬虔なクリスチャンであるか否かも裁いてはいけません。
その上、トランプ氏の実業家としての才能は神が彼に与えたものです。そのタレントを充分生かした彼は称賛すべきです。
彼があこぎな経済活動で成り上がったという非難はアメリカでは少ないようです。むしろアメリカン・ドリームの具現者として称賛する声が聞こえて来ます。
彼の演説の上手さも神が彼に与えたタレントなのです。そのお陰で共和党の大統領候補者になれたのです。
アメリカの実社会では人格よりも、いろいろな分野の職業における能力が重視されます。それを日本人は弱肉強食の人事管理だと評しますが、その根底には人格の善悪は神が判断する領域だという信仰があるようです。
上に書いたことは日本とアメリカの文化の相違のほんの一例に過ぎません。
日米の文化の相違を考えずにトランプ氏に人徳が無いと評価することは、ヒョッとすると人間としてしてはいけないことかも知れません。
そんな文化の差を考えさせる今日この頃です。
今日の挿し絵代わりの写真は昨日歩いて来た都立小宮公園の風景写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
それにもかかわらず、トランプ氏は共和党の次期大統領候補に指名されてしまったのです。
従ってアメリカではトランプ氏が好きで支持する人が多いと言っても大きな間違いが無いと考えられます。
日本人には嫌われ、アメリカ人には好かれているのです。
その原因はオバマ政権による軟弱な外交でアメリカの国際的評価が下がったことと、国内的にはメキシコからの大量な不法越境が原因になっているという解説がをよく聞きます。そしてトランプ氏は強いアメリカを再び作ると言うのです。
この解説も本当でしょうが、今日はアメリカと日本の文化的相違から、この問題を少し考えてみたいと存じます。
結論を先に書けばアメリカ文化ではトランプ氏は称賛に価いする人物であり、一方、日本人は彼に人徳が無いので大統領には適任ではないと評価されているのでないでしょうか?
彼に比べて広島まで来てくれたオバマ大統領のほうがまだ人間的に優れていると日本人は考えているのかも知れません。
さて日本とアメリカの文化の相違と言えば、文化の基底をなす宗教に対する考え方の違いを考えるのが手っ取り早いようです。
その比較をしようと先日来、いろいろ調べていたら次の資料を見つけました。
明治大学、鈴木研究室の「国際日本データランキング」
(http://dataranking.com/table.cgi?LG=j&TP=ofthosewhobelieveinGod(6choices)&CO=Italy&RG=2&TM=2008 )
この資料は非常に面白いデータを提供しています。大げさに言うと現在の世界の比較文化人類学の基礎資料になるような情報が詰まっているのです。
この資料の中から宗教に関するランキングを2種類だけ選んで以下にご紹介いたします。
(1)神の存在を信じる人の割合(すべての人に対して、神は存在しているという人の割合)
2008年の調査:北欧と主要先進国12国のみの比較
1 アメリカ合衆国 78.3%
2 イタリア 69.6%
3 イギリス 47.2%
4 フィンランド 46.3%
5 オーストラリア 43.5%
6 韓国 39.4%
7 ドイツ 38.4%
8 フランス 37.3%
9 ノルウェー 37.0%
10 デンマーク 33.6%
11 スウェーデン 24.9%
12 日本 16.4%
(2)宗教は心の安らぎや幸福感を得るのに役立つという人の割合
2008年の調査結果:北欧と主要先進国12国のみの比較
1 アメリカ合衆国 87.3%
2 韓国 80.3%
3 デンマーク 79.3%
4 イタリア 78.8%
5 スウェーデン 75.5%
6 イギリス 74.5%
7 オーストラリア 73.7%
8 ドイツ 72.0%
9 ノルウェー 71.1%
10 フランス 66.8%
11 フィンランド 61.7%
12 日本 61.6%
以上の他に、鈴木研究室のHPには、20ほどの宗教に関する質問に対するランキングが掲載されていますが、ここでは省略します。
兎に角、アメリカではキリスト教を信仰し、そのお陰で心の安らぎや幸福感を得ていると考える人が多いのです。
これに対して日本では神の存在を信じている人は12ケ国で最下位で16.4%しか居ません。
その神とは日本では神道の神様のことでしょう。その日本で、神の存在を信じている人の過半数は、宗教は心の安らぎや幸福感を得るのに役立つと思っているのです。
話は脇道にそれましたが本題に戻します。キリスト教国のアメリカではトランプ氏が何故支持されるかという問題に戻します。
まずアメリカでは政治家に人徳は日本ほど求めないのです。それには深い理由があります。
簡単に言えば人徳があるか否かは神が判断することなのです。人間が人間を評価してはいけません。キリスト教には人を裁くなという教えがあります。
トランプ氏が敬虔なクリスチャンであるか否かも裁いてはいけません。
その上、トランプ氏の実業家としての才能は神が彼に与えたものです。そのタレントを充分生かした彼は称賛すべきです。
彼があこぎな経済活動で成り上がったという非難はアメリカでは少ないようです。むしろアメリカン・ドリームの具現者として称賛する声が聞こえて来ます。
彼の演説の上手さも神が彼に与えたタレントなのです。そのお陰で共和党の大統領候補者になれたのです。
アメリカの実社会では人格よりも、いろいろな分野の職業における能力が重視されます。それを日本人は弱肉強食の人事管理だと評しますが、その根底には人格の善悪は神が判断する領域だという信仰があるようです。
上に書いたことは日本とアメリカの文化の相違のほんの一例に過ぎません。
日米の文化の相違を考えずにトランプ氏に人徳が無いと評価することは、ヒョッとすると人間としてしてはいけないことかも知れません。
そんな文化の差を考えさせる今日この頃です。
今日の挿し絵代わりの写真は昨日歩いて来た都立小宮公園の風景写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)