茨城県の霞ヶ浦の西に「つくば研究学園都市」があります。2002年頃、その地域のベンチャー企業の育成を支援する仕事をしていました。東京から車で通いました。昼食は周辺の蕎麦屋かイタリアンへ行きます。気がついてみると周辺には実に美しいい里山が散在しています。特に夏には緑の水田に浮かぶ島々のようにコンモリと樹木のかたまりが彼方此方に見えます。
つくば市に住んでいる人に聞きました。「里山保存会」がいくつもあってそれぞれ一つの里山の下草刈り、枝下ろし、倒木の処理、植林などを休日にしているそうです。
里山は以前、薪を取ったり、枯れ葉を畑の肥料にしたりしました。周囲の農家の大切な財産でした。しかし最近は、薪も枯れ葉も要らなくなり、雑木林は荒れるばかりでした。
一方、つくばの研究機関で働いている人々にとっては、通勤の途中に見える里山の景観はかけがえのない自然の財産のような感じがします。そこで里山の地主へ頼んで、ボランティアで維持管理をすることにしました。
下草を刈り、下枝をおろすと、クヌギやコナラの樹幹が遠方から白く見え、その向こう側には青空が広がってるが見えます。新緑の頃の芽吹いた梢の美しさ、緑濃い夏の里山、紅葉の里山、梢だけが木枯らしに揺れている冬の里山。どの季節も里山は見る人へくつろぎを与えます。
里山保存会のことを後で調べてみました。全国に有ることが分かりました。
里山を整理するときだけ雑木林へ入る。それ以外は外から見るだけにする。この約束さえ守れば地主は里山をボランティアの保存会へまかせるそうです。
上の写真は小生の山林の中の小屋の近所で見つけた美しい雑木林です。
隣の別荘の人が見て楽しむために下草を刈り、管理している様子です。
自分で雑木林へ入り、倒木を整理したり、薪を取る作業をしていると林の新鮮な空気が体にしみ込むようで楽しいものです。里山保存会の人々も楽しいので休日に雑木林へ入って行くのだと想像しています。全国でもっともっと里山保存会が出来ることを祈ります。(終わり)