春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

こよなく愛した「フィルムカメラ」

2007-11-17 20:43:00 | 歴史に向き合う

本体の所々に錆びと、浮き上がる緑青。触ればパラパラはがれるカメラケース。
かっては輝いていたOlinpas COPAL-Xも見る影もなくなり、押し入れの済に置いといていたら山の神の目に止まりこんな物はただの鉄の塊と、ゴミ出しに促された。
元より、デジカメの世代に既にデジカメ2代目が活躍している昨今、再びOlinpas COPAL-Xが再登場するきっかけは殆どない。
しかし「ああいいよ」と簡単に廃棄物の運命にしたくないのである。
我が1/4の半世紀余りを、分身として生きた証をこのカメラが貴重な記録を残してくれた。
小型軽量、バカチョン式は取り損ねが少ないカメラとして一世を風靡し、己のような怒素人でも、専門家しか扱えないカメラの世界から、身近なものに近づけてくれた。
その歴史は独身時代から持ち続け、出張から観光旅行まで、色々な出会いをこのカメラで納めた。
長いカメラとの付き合いに色々歴史の思い出を作ったが、半年の韓国赴任中、日中マイナス20度近い極寒の世界で機械のメカが凍りつき、シャッターが押せなかったことなど、未だに記憶が残される。
高機能、高性能のカメラが出回る世界に、良く壊れ、動かなくなることが多くなったが、高額な修理代にカメラも使い捨ての時代になったが、このバカチョンは丈夫で長持ちで殆ど壊れなかった名器であったと思える。
そんな付き合いから、離しがたい存在になってしまったのである。
触ればほこりやさびが手につくようなカメラを取り出し、フイルムレバーをまわし、シャッターを押すと、しっかり瞬き、「バシャ」と言う乾いた音が鳴り響き、「未だ生息しているよ」と存在感を示していた。

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