575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

蕨餅          愚足

2007年04月01日 | Weblog
 山菜の蕨は苦手である。山菜取りなどにつき合わされても気がないので蕨も薇も区別が付かないくらいだ。山菜料理などと言われてもさして箸がすすまない。最近は酒を禁止されたので尚更山菜は縁遠い。

 しかし、蕨は蕨でも「蕨餅」となれば話は別である。
 蕨餅は小さい頃から好きだった。戦後すぐの頃は貴重品であった。町に蕨餅売りが来ると、せがんで好く買い食いをした。それはそれはうまかった。黒砂糖の甘みが今も忘れられない。
 今ではスーパーやコンビにでも置いてあり手軽に食べられるが、味は格段に落ちる。 口が肥えたのかもしれない。

 蕨餅は本来、蕨の根のでんぷんを練って作るものだそうだが、今時、蕨のでんぶん百パーセントなどという高級品には滅多にお目にかかれぬそうである。安いものはジャガイモでんぶん百パーセントだそうだからジャガイモ餅というわけだ。
 
 「蕨餅」はその涼しげな姿から、夏の季語かと思ったが、「蕨」とおなじ春の季語だそうである。

  腹減るとにはあらねども蕨餅        長谷川零与子

  かたはらに鹿のきている蕨餅        日野草城
コメント (2)
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