鳴かないものを鳴かせ、鳴かないはずの声を、あたかも聞いたかのように発句する。俳句の本領でしょうね。
それにしても、秀句の多いこと。
たとえば、亀鳴く。
裏がえる亀思うべし鳴けるなり 石川桂郎
五十年待ちたれば亀鳴きにけり 藤田湘子
亀鳴くを聞きたくて長生きをせり 桂信子
そして、蓑虫まで鳴かせてしまいます。
わが子を疎ましく思った父親は、息子に汚い衣を着せて、「秋には戻る、待てよ」と言って逃げました。
子はその言葉を信じて、「ちちよ、ちちよ」と泣きながら待ち続けるという。
蓑虫には父乞虫の名もあるとか。
蓑虫の音を聞きに来よ草の庵 芭蕉
我等の世蓑虫鳴かずなりにけり 加藤楸邨
妻籠に蓑虫の音をきく日かな 石田波郷
(人々の声無きの声を、もっと大切にして欲しいものですが・・・)
それにしても、秀句の多いこと。
たとえば、亀鳴く。
裏がえる亀思うべし鳴けるなり 石川桂郎
五十年待ちたれば亀鳴きにけり 藤田湘子
亀鳴くを聞きたくて長生きをせり 桂信子
そして、蓑虫まで鳴かせてしまいます。
わが子を疎ましく思った父親は、息子に汚い衣を着せて、「秋には戻る、待てよ」と言って逃げました。
子はその言葉を信じて、「ちちよ、ちちよ」と泣きながら待ち続けるという。
蓑虫には父乞虫の名もあるとか。
蓑虫の音を聞きに来よ草の庵 芭蕉
我等の世蓑虫鳴かずなりにけり 加藤楸邨
妻籠に蓑虫の音をきく日かな 石田波郷
(人々の声無きの声を、もっと大切にして欲しいものですが・・・)