575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

采振木             草女

2007年04月30日 | Weblog
 バラ科ザイフリボク科の落葉小高木。
 花弁が細長い様子を采配に見立てて采振木という。別名の四手の桜は、花の様子を玉串などにつける四手に見立てたもの。
 4~5月枝先に白色の花が10個ほど集まって咲く。銀緑色の葉も出ていて、この取り合わせも美しい。
 植物学的には葉の展開と同時に花が咲くという。この表現はなかなか的を射ていると思う。桜のソメイヨシノのは葉の展開前に花を咲かせ、コバノミツバツツジなどは花が終わってから葉が展開する、などと使う。
 話しがそれたが、何故ザイフリボクの葉が銀緑色に見えるかというと、腺毛が密に生えているからだ。しかしこの腺毛は葉が成長すると抜け落ちすっかり様子が変わるので、花の後この木を探すのは難しい。
 この花が大好きで、毎春咲くのを楽しみにしているのだが、この付近ではあまり見かけない。色々な本の「樹に咲く花」を見ると、公園樹、庭木用などと書かれているが、今までに見かけたことが無い。
 そして最近わたしが見つけたのは、草木探訪の旅行に参加していて菰野町田光(たびか)のシデコブシの自生地周辺で幸運にも見つけることが出来た。
 海上の森にもザイフリボクはあるが。手の届くような所にはない。田光のザイフリボクは手の届く枝に花をつけていた。枝を引き寄せて接写した。ついでに、さぞ好い香りだろうと匂いを嗅いで吃驚、香りとは縁遠く、ゴミがすえたような臭いであった。幸いな事に、周りにその臭いを撒き散らすという訳ではなく、鼻を近づけて気付く程度ではあるが・・・。
 もうひとつ、中公新書の「続・日本の樹」によればアメリカではジュン・ベリーと呼ばれ、果実を食用にするという。またインターネット情報では、果実酒にするとブランディのような味がして美味しいとの事。果実酒づくりの得意な知り合いに教えてご相伴にあずかるとしよう。でも実を集めるのは大変そう?

                            
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする