575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

墨色で散るサクラ

2007年04月06日 | Weblog
淡墨櫻の開花が例年になく早い、と伝えられています。
混雑を避けて、花を待たずに訪れたのは一昨年のこと。

近づいてみて驚きました。目立つのは、枝を支える棒杭ばかり。櫻の古木は細い枝を張り、ようやく立たされていました。
これでも、時節がくれば、薄紅色の蕾をつけ、白い花を満開にし、散り際には墨色に染まって別れを惜しむという。

枯死寸前だった櫻の保護活動が始まったのは、昭和43年、櫻博士の診断を受け、延命の処方箋がつくられました。

腐った部分をえぐって薬を塗り、黴を削って殺菌剤を注入し、大量の施肥で若返りも試みられました。
根の空洞化にはウレタン充填という大手術です。

継体天皇お手植えの伝説を持ち、樹齢1500年余。痛々しい姿で年々を咲かずとも、ゆっくりおやすみください、と言ったら、叱られるでしょうね。

 淡墨櫻に光陰の軽からず  伊藤敬子

   ・千年を生きて千度の春の色淡墨櫻あわあわと咲く

   ・ウレタンを充填されて継ぐ命 花のうめきか風わたりゆく  鳥野

 
  
コメント (2)
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