サトイモ科テンナンショウ属。山地のやや湿った所に生える多年草。テンナンショウ属というと聞き慣れないが、ウラシマソウ、マムシグサの仲間と言えば分かり易いと思う。
海上の森のテンナンショウ属としては、スルガテンナンショウのみ自生している。この植物は愛知・岐阜・三重・静岡・長野各県の固有植物である。
芽生えの時季は4月で細い竹の子のような形をしていて、つくんと出てくる。その皮は蝮を連想させる模様があって触れるのをためらうが、触ってみれば意外に柔らかで、その中に葉芽や花芽が皮が割れるのを待っている。
サトイモ科だけあって地中に芋を持っていて、芋が小さい時は雄花を、芋が大きくなると雌花をつけ、成長途中で性転換をする。雌花は秋になると赤くトウモロコシ状の集合果をつけ大変に目立つが、舐めると舌がしびれる有毒植物の一つである。
テンナンショウ属の花は仏炎苞を持ち種によって色が異なる。スルガテンナンショウの仏炎苞は緑で暗紫紅色の縞が入る。学研の「植物の生態図鑑」の記述では「花には蜜は無いが匂いにつられて昆虫が訪れる。ところが仏炎苞がつるつるしているため、昆虫は止る事が出来ず転げ落ちる。下部の脱出口から逃れ出た時には身体中が花粉まみれになっている。しかし雌花の方には脱出口が無く虫は力尽き死んでしまう。」恐ろしいのは毒だけではないのである。
4月から5月にかけて、少し気をつけて森を歩くとたくさんのスルガテンナンショウ(駿河天南星)に出会える。しかし秋の赤い実を見つけるのはむずかしい。大きい芋を持つ株が少ないのだろう。
まむし草芯覗むと指触るる 草間時彦
手に触れて生の冷たさ蝮蛇草 江川虹村
海上の森のテンナンショウ属としては、スルガテンナンショウのみ自生している。この植物は愛知・岐阜・三重・静岡・長野各県の固有植物である。
芽生えの時季は4月で細い竹の子のような形をしていて、つくんと出てくる。その皮は蝮を連想させる模様があって触れるのをためらうが、触ってみれば意外に柔らかで、その中に葉芽や花芽が皮が割れるのを待っている。
サトイモ科だけあって地中に芋を持っていて、芋が小さい時は雄花を、芋が大きくなると雌花をつけ、成長途中で性転換をする。雌花は秋になると赤くトウモロコシ状の集合果をつけ大変に目立つが、舐めると舌がしびれる有毒植物の一つである。
テンナンショウ属の花は仏炎苞を持ち種によって色が異なる。スルガテンナンショウの仏炎苞は緑で暗紫紅色の縞が入る。学研の「植物の生態図鑑」の記述では「花には蜜は無いが匂いにつられて昆虫が訪れる。ところが仏炎苞がつるつるしているため、昆虫は止る事が出来ず転げ落ちる。下部の脱出口から逃れ出た時には身体中が花粉まみれになっている。しかし雌花の方には脱出口が無く虫は力尽き死んでしまう。」恐ろしいのは毒だけではないのである。
4月から5月にかけて、少し気をつけて森を歩くとたくさんのスルガテンナンショウ(駿河天南星)に出会える。しかし秋の赤い実を見つけるのはむずかしい。大きい芋を持つ株が少ないのだろう。
まむし草芯覗むと指触るる 草間時彦
手に触れて生の冷たさ蝮蛇草 江川虹村