575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

五月雨と梅雨         愚足

2007年04月23日 | Weblog
 次回5月のお題が「五月雨」と決まった時に何か「作りにくそう」という気がした。今回の「空」が季節が限定されず、季語との関わりを付けるのに苦労したのでみんなは比較的納得が速かった様に思う。
 しかし考えてみると、「五月雨」はこの月限定の雨というわけでもなく、むしろ六月から始まる「梅雨」の雨と同義である。
 おまけに、「梅雨」は「梅雨寒」「梅雨冷」「梅雨入り」「梅雨空」「梅雨雲」「空梅雨」「梅雨時」など幅広く通用する「現代語」であり、馴染み深い。
 一方「五月雨」は「皐月雨」とともに和歌にも多く詠まれ「雅語」の響きが強い。現在圧倒的に日常語として使われている「梅雨」に対抗して「五月雨」で一句ものにするのは難題である。

  五月雨や色紙へぎたる壁の跡         芭 蕉
  空も地もひとつになりぬ五月雨        杉 風
  五月雨や大河を前に家二軒          蕪 村
  いたつきに名のつき初る五月雨        子 規

                          ※いたつき=病身

 しかし良い句がありますなあ。
コメント (3)
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