吟行の下見。 愚足

　暇なので蒲郡の吟行の下見に行った。
　竹島に渡ってみたが、さしたる句興も興らず、諦めて同行の鳥野さんと相談し三ヶ根山スカイラインに向かった。
　このドライブウエイの途中には、フィリピン周辺で戦死した五十万人の軍人を慰霊する比島観音霊場がある。そしてもう一つは、東京裁判で処刑された東条英機らＡ級戦犯七人の殉国七士の墓が廟とされ祭られている。
　面白いのは、比島観音霊場の各部隊連隊の墓碑には必ず平和への誓いと祈りが刻まれているが、東条英機氏らの殉国七士の碑文には平和の文字は一つも記されておらず、連合軍への恨みつらみのみが刻まれていた。

　このように、両墓苑の性格はあきらかに違うのであるが、東条英機の娘のＨＰには、この二つを意図的に一緒にしており、比島の戦死者の霊を巧みに取り込んで編集してあった。
　比島霊場の五十万人の英霊の中には、この事を拒否する人たちも数多く居るのではないだろうか。